NYの視点:米9月の利上げ観測強まる
[15/07/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
ギリシャや中国の混乱を受けて、米国の利上げが先送りされるとの見方が強まっていた。しかし、イエレンFRB議長はワシントンで先週開催された下院金融委員会、上院銀行委員会での証言において、年内の利上げが適切になると改めて表明した。米国の雇用が引き続き完全雇用に近づいていること、経済の緩やかな改善が継続していること、賃金も上昇する兆候が見られるとし、利上げが正当化されることを示唆。ギリシャや中国の混乱も「新しい問題ではない」と一蹴。また、時期尚早の利上げはリスクとなるとしながらも、「もし、FRBが利上げを先送りした場合、大幅な利上げを強いられる可能性がある」と懸念。「利上げを早めに開始することにより一段と緩やかなペースでの利上げが可能になる」と早めの利上げを支持したため、9月の利上げ観測が強まった。
ブラード・セントルイス連銀総裁もFOXニュースとのインタビューで、「経済は過去5年間で一段と正常に近づいた」とし、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは若干時期が早いが、9月FOMCでの利上げ確率は「おそらく50%以上」との見解を明らかにした。同総裁は2015年の投票権はないが、中立派としてその見解は重要視される。
民間エコノミストは現在のところ、2015年7-9月期から2016年7-9月期にかけて四半期に一度の利上げを予想している。米ウォールストリートジャーナル紙が60人のエコノミストを対象に行った調査によると、エコノミストの82%が9月の利上げを予想している。1ヶ月前は72%だった。10月が3%、12月の見通しは15%だった。ただ、金融先物市場では9月の利上げにはまだ懐疑的。12月の利上げを織り込んでいる。このため、実際に利上げが早まった場合には、ドルの更なる上昇が予想される。
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