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(中国)北京市の裁判所、債務不履行企業社長らに“高額消費禁止令”

注目トピックス 経済総合
債務不履行の企業とその法定代表者に対し、北京市第三中級法院(裁判所)はこのほど、高額消費を禁じる命令を言い渡した。中国で今年7月、民事執行手続き中の債務者による高額消費を制限する最高裁判所の司法解釈が改正。債務者が法人の場合、法定代表者や実質支配者などの個人も制限対象に追加されている。改正版の最高裁司法解釈に基づき、裁判所が個人に“高額消費禁止令”を下したのは、北京市ではこれが初めてという。複数の中国メディアが28日付で伝えた。
北京市第三中級法院によれば、安徽中杭股フン有限公司など民営企業3社と、法定代表者を務める高志榴夫妻、杭鎖亜夫妻の4人はホテル資産を担保に、ある信託会社から2億人民元(約40億円)を借り入れた。期限通りに返済しなかったため、債権者の信託会社は今年6月、債務の民事執行を裁判所に申請。しかし、裁判所の調査で、高氏夫妻ら4人の名義では弁済に充てられる財産はすでにないことが判明した。
現状を踏まえ、裁判所は債務履行能力がないと判断。一方で、債務者である法人3社と、高氏夫妻ら個人4人に対し、“高額消費”の禁止を命令した。具体的には、◆航空機、高速鉄道、豪華寝台列車、豪華客船などの利用、◆星付きホテルでの宿泊、クラブ、ゴルフ場などでの消費、◆不動産の購入、新築、改築、リフォーム、◆高級オフィスビル、ホテル、高級マンションの賃借、◆自動車の購入、◆旅行、リゾート地などでの休暇、◆子どもの私立学校への入学、◆高額保険商品の購入??などを禁じる。裁判所命令は航空会社、旅行会社、保険会社などにも通達。違反した場合は、刑事責任の追及も可能だ。
中国で債務者に対する高額消費の規制は2010年7月から導入。財産の隠ぺい、不正申告、執行妨害などが疑われる場合、裁判所は消費行為を制限することが認められるようになった。しかしながら、企業間の債務係争となると、これまでは制限対象が債務者(法人)のみ。民事執行に長年携わってきたある裁判官によれば、企業が債務不履行に陥る一方で、社長は豪遊生活を送り続けるケースも散見されていたという。

【亜州IR】



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