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中国原発大手が仏アレバ向け出資検討へ、英大型原発プロジェクトには資金援助

注目トピックス 経済総合
中国の原子力発電事業者が欧州市場の取り込みを進めている。仏原子力大手のアレバ向け出資を通じ、地歩を築く狙いだ。経営難の打開を目指し、すでにアレバの幹部は、中国の中国核工業集団(CNNC)と中国広核集団(CGN)の出資を受け入れる意向を表明した。「2016年のアレバ向け資金援助について、仏政府は最大20億ユーロ(約2720億円)に抑える」との観測が流れるなか、中国資本の導入が現実味を帯びてきている。中国証券報などが6日付で伝えた。
中国の国営企業は、「走出去(海外進出)」の国策に呼応。英国の原発に投資する戦略を進めている。その対象は、フランス電力(EDF)が17年の着工を予定するヒンクリー・ポイントC原発。事前の調査を経て、投資予定額は当初予定の160億ポンドから250億ポンド(約4兆8400億円)に56%上方修正された。EDFはアレバの欧州加圧水型炉の採用を計画。出力は1600MWe(160万kWe)を予定している。アレバと資本提携することで、CNNCとCGNは関連設備の海外輸出を実現する考えだ。
アレバの株式87%を保有する仏政府は、同社の増資を計画。中国資本には最大10%を取得させる案が浮上しているとされる。
すでに14年3月、CGNとEDFは覚書を締結。EDFの主導で整備する英ヒンクリー・ポイントC原発に対し、CGNは投資する方針を確認した。17年の着工を目指す。当初資金の3分の2は、中国資本を受け入れる構えだ。
中国は原発分野の「走出去(海外進出)」を国策的に推進する立場。原発設備をパキスタン、ルーマニア、アルゼンチン、南アフリカ、トルコ、チェコ、サウジアラビア、アルゼンチン、英国などに輸出する計画だ。習近平国家主席は今年1月、原子力産業を「国の戦略産業」と指摘したうえで、その発展を支援し、競争力を高める必要があると指示している。中国核能行業協会などのデータによると、14年末時点で商業運転中の原発総容量は2030万6000kW(中国発電容量全体の1.49%)。14年の発電量は前年比18.89%増の1305億8000万kWh(中国発電量全体の2.39%)に達した。
中国の原発業界を代表する企業は、いずれも中国国有のCGN、CNNC、国家電力投資集団公司の3社。国家核電技術公司(SNPTC)と中国電力投資集団公司(CPI)が再編合併し、国家電力投資集団公司は今年7月15日に発足したばかり。火力、水力、原子力、新エネルギー資産を擁する総合エネルギー企業として運営される。


【亜州IR】



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