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資産を倍にするのは何年かかる? 〜72の法則〜(三井智映子)

注目トピックス 経済総合
フィスコリサーチレポーター、三井智映子による「ゼロからはじめる資産運用の基礎知識」-1


平均寿命の変化、少子化、年金需給格差の広がりで将来不安のトップの原因がお金である、ということを良く聞きます。資産運用といえばいつもは日本株投資の話が多いのですが、本日のテーマは「貸して増やす」金利の話です。

最近では個人投資家でもいろいろな国の通貨を選んで投資することができるようになりました。日本は超低金利時代が続いているので、相対的に金利の高い外国通貨、特に新興国通貨への投資には多くの方が興味を持つのではないでしょうか。金利が伴う外国通貨への投資は、外国債券、外貨建て預金、外国為替証拠金取引などいろいろあります。

金利で儲かるお金の計算にとても役立つのが、「72の法則」です。「72の法則」とは資産運用において元本を2倍にするために必要な金利とおおよその年数を簡単に求められる法則です。

その数式はとても簡単です。
金利(%)×2倍になるまでに必要な期間(年)=72
72÷年数(年)=金利(%)

分解すると、上記のように2パターンの計算式が出来ます。


■資産が2倍になる年数の計算例
(ここで言う金利は1年複利利回りをさします。)

10%    7.2年  (=72÷10%)
9%      8年  (=72÷9%)
8%      9年  (=72÷8%)
5%    14.4年  (=72÷5%)
3%     24年  (=72÷3%)
2%     36年  (=72÷2%)
1%     72年  (=72÷1%)
0.03%    2400年  (=72÷0.03%)   →日本の預金金利の場合

今は超低金利時代と言われており、大手銀行でつく預金利率を見てみたら0.03%でした。年利0.03%では、預金額が2倍になるには72÷0.03=2400年掛かってしまいます。そのような背景の元、投資先として注目されるのは、新興国の中でも最近信用力(格付け)もあがってきている高金利の大国でしょう。
■Moody’sの格付け(2015/8/18現在)
Aaa     米、豪、カナダ、スイス
Aa1-Aa3   中国、英国、韓国
A1-A3    日本
Baa1-Baa3  ブラジル、南ア、スペイン、イタリア、トルコ
Ba1-Ba3   ロシア
Caa1-Caa3  ギリシャ


例えば早く2倍になりそうな外貨であれば、政策金利で見た場合トルコ(トルコリラ)7.50%でしたら72÷7.50%=9.6年と、10年に満たず2倍にすることができますし、ブラジル(ブラジルレアル)の14.25%だと72÷14.25%=5.05年、5年ほどで2倍になる、ということです。

このように「72の法則」は「この期間で今あるお金を2倍にしたい」と考える時に目安になり、覚えておくと便利な法則だと思います。

ただし、新興国金利は高くて魅力的ですが、為替リスクや債券の場合は発行体の信用リスク、金利変動する場合もありますので、定期的にリバランスするなど、放置されたままの長期投資はいけませんね。

(※文中の政策金利は2015/8/19付けの数値を採用しています。)

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