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中国主導AIIB、16日に正式開業

注目トピックス 経済総合
中国主導で昨年末に設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、1月16日に正式開業する。中国政府との間で、「創設メンバー」57カ国が政府間協定を結んだ。多国籍銀行としてAIIBは、アジア内外向けに資金を提供。年央にも初回貸出を承認する見通しという。中国政府系メディアが15日付で伝えた。
当初は中国が掲げる「一帯一路」構想の対象エリアで進められるインフラ事業向けに融資を実行する。アジア開発銀行の報告によると、「一帯一路」構想の重点エリアとなるアジアで必要とされるインフラ事業向け資金は、2010年〜20年の合計で8000億米ドル(約94兆円)と試算されている。世界銀行やアジア開発銀行など既存の国際金融機関だけでは、賄いきれないほど巨額だ。
東南アジア最大の経済大国であるインドネシアは、AIIBの支援力に期待する国の一つ。インフラ整備の後れによって、同国は国際競争力を奪われているためだ。道路・橋梁、港湾、電力設備の不足が外資誘致の障害となっている。また物流網の欠如で輸送コストが高くつくなか、自国製品の海外市場開拓も困難を極める状況だ。こうした中で同国政府は、交通インフラ分野に総額で7000兆ルピア(約59兆2600億円)を投じる長期計画を策定した。うち同国政府の出資比率は40%にとどめている。
中央アジアのキルギスも、設立準備当初からAIIBに注目してきた。国土の大部分がパミール高原に位置する同国は、資金不足からインフラ整備が進んでいない。首都ビシュケクの中心部でさえも、冬期の電気供給は5時間に限定されている状態だ。郊外や農村地域は、基本的に電気が通っていない。
これまでの報道によると、AIIBの登録資本は1000億米ドルに設定。基礎インフラの建設資金を融通し、年を追うごとに貸付額を拡大していく構え。初年度の起債規模は1億〜5億米ドルを想定した。資本金などと合わせて、当初はエネルギー、交通、農村発展、都市開発、物流の5大分野に融資する。将来的には教育、衛生の分野にも資金を流す方針だ。中央アジア、南アジア、東南アジアをはじめとする中国が進める「一帯一路」構想の対象エリアに貸し出す。発足5〜6年で毎年100億〜150億米ドル(約1兆2300億〜1兆8400億円)を融資する方針だ。

【亜州IR】



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