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NYの視点:米1月FOMC議事録、市場混乱の影響判断は時期尚早

注目トピックス 経済総合

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した1月26−27日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で市場混乱の影響を判断するのは「時期尚早」との見方が大半を占めたことが明らかになった。米FRBは昨年末のFOMCで利上げを開始したのち、1月会合では金融政策を据え置いた。本年に入り、中国や新興市場が荒れるなど、見通しに不透明感が広がったことが背景にある。米国の10年債利回りも1年ぶりの低水準となった。

ただ、米FRBは1月FOMCの声明の中で、「経済は緩やかな利上げに限り正当化すると予想する」とし、引き続き引き締め軌道にあることを再確認。イエレンFRB議長を初め、FOMCメンバーは追加利上げに関し、3月の利上げも完全には除外していない。イエレンFRB議長は先週開催された議会証言で、3月会合までにはまだ多くの新たな指標がでると、景気や見通しを現段階で判断するのは「時期尚早」との見方を示した。一方、米国金利先物市場では、本年12月の利上げ確率は40.9%と、50%に満たないままだ。


■1月連邦公開市場委員会(FOMC)議事録のポイント

●市場混乱の影響

1月FOMCの声明では、「経済や労働市場活動の見通しリスクは均衡している」との文言が削除された。市場では、「下方リスクがより優勢となったことを示唆している」との見方も強まった。議事録によると、見通しリスクを判断する上で「指標が不透明」との見解でメンバーの意見が一致したため、バランスリスクに関する文言が削除されたようだ。

リスクはもはや均衡していないと主張したメンバーがいた一方、ほとんどのメンバーは金融状況のひっ迫が悪影響となる可能性を認めたものの、一段の金融ひっ迫が長期化した場合、見通しにどのように影響するか定かではないとの見方から、多くのメンバーは.市場の混乱による影響を判断するのは「時期尚早」との判断にとどめたようだ。

●消費は依然強く成長を支援するとの判断

雇用改善に伴う実質賃金の上昇、燃料価格の下落、消費者信頼感の上昇は消費が依然経済の成長を支援していくことを示していると、ほとんどのメンバーは指摘した。

ただ、一部メンバーは2015年半ばから貯蓄率が上昇していることは景気見通しへの不透明感または、株式相場を懸念したことと関連している可能性があると指摘。もし、長期化した場合、消費に影響すると懸念を表明した。一方、他のメンバーは、消費者信頼感調査によると、金融市場の状況に特に影響を受け易い証拠は見られないと主張した。

●インフレ

ドル高や燃料価格の下落によるインフレへの影響は後退しており、長期にわたりインフレを低く抑える可能性は少ないとメンバーは見ている。労働市場の改善が継続し、潜在的水準以上のペースで経済活動が発展することがインフレにはより重要だと考えている。

●中国

直接的な影響は少ないものの、メンバーは中国や新興諸国の経済の混乱が米国経済の潜在的な障害になりうるとの懸念を表明した。ただ、一部のメンバーは最近の株式相場の下落はバリュエーションを歴史的に正常値に一致させたとの判断を示している。

●利上げぺースやタイミング

メンバーは依然金融政策の正常化の継続を予想しているが、タイミングやペースは将来の経済や金融市場の展開、見通し次第だと強調した。



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