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中国の沿海大都市、新たな不動産価格抑制策の導入検討

注目トピックス 経済総合
中国当局が沿海大都市で、不動産高騰を抑える新政策を打ち出す模様だ。
中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・副総裁は9日、政協小グループ討論の際に、「現在の沿海大都市での住宅価格上昇問題の解決には、総合的な措置が必要」と指摘。住房城郷建設部、中国銀行業監督管理委員会などとともに、一部の不動産企業や仲介機関が金融行に参入している状況に対して整理を進める準備を検討していることを明らかにした。そのうえで、「資質がなければ、業過を跨いだ経営はできない」と、無秩序な不動産企業による住宅ローン業務への参入などをけん制した。
また、国土資源部の姜大明・部長も同日、「最近の沿海大都市での不動産価格高騰を注視している」と述べ、土地供給を拡大するとともに、異常な取引防止に努める方針を示した。

<不動産市場でレバレッジ取引が拡大>
昨年末に政府が不動産在庫の解消に注力する方針を示して以降、沿海大都市では不動産価格高騰に拍車が掛かっている。また不動産開発企業や仲介業者が、住宅ローンの頭金が足りない購入者に対して、資金を貸し出す住宅ローン頭金ビジネスが広がり、取引拡大や価格高騰に弾みが付く格好となった。
中国本土メディアによると、不動産市場での高いレバレッジを利かせた取引の規模は、すでに相当な規模に膨らんでいる模様。仲介業者による資金提供だけでも、1兆人民元に達しているとの試算が出ている。また、一部のP2Pプラットフォームの頭金比率は5%にまで低下。つまり、レバレッジ率は20倍に拡大しており、昨年の株式市場が盛り上がった際のレバレッジ率を上回っている。
こうしたなか、上海鏈家や中原地産などの一部の仲介業者は、「住宅ローン頭金融資」業務を暫定的に停止したと伝えられた。

<都市ごとに異なる政策で対応>
沿海大都市で新たな不動産価格抑制策を打ち出すと方向は、既定路線になっている模様。ただし、今後は沿海大都市では、デレバレッジの推進で投機的取引を厳格に抑える一方で、「三線都市」「四線都市」と呼ばれる不動産市場の低迷が続く地方都市では、在庫解消に向けた政策を強化するというように、都市ごとに異なる政策が実施されていく見通しだ。

【亜州IR】



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