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ロシアの世界最大LNG開発計画、設備7割超は中国製

注目トピックス 経済総合
超大国の中国とロシアがエネルギー分野で戦略提携を深めている。露ヤマル半島のサベッタで、中国が出資する北極圏液化天然ガスプロジェクト「ヤマルLNG」の開発が本格化した。投資規模は270億米ドル(約2兆9400億円)を見込む。多くの中国銀行が巨額融資を実行する予定という。中国政府系メディアが11日付で伝えた。
世界で最も緯度の高いLNG開発プロジェクトとなる。保有権益の比率は、2013年の交渉でノバテク(天然ガス生産量でガスプロムに次ぐロシア国内2位の)が60.0%、中国石油天然気集団公司と仏トタルが20.0%ずつに設定された。今年3月、中国が設立した「シルクロード基金」が10億8700万米ドル(約1350億円)でノバテクの持分9.9%を購入。中国側の保有権益は、ノバテクの50.1%に次ぐ29.9%(中国石油天然気集団公司20.0%+シルクロード基金9.9%)に拡大した。
ガス田の確認埋蔵量は9260億立方米と膨大。少なくとも2045年末までの生産許可を得た。19鉱区でガス井208本を掘削する予定。すでに掘った50本で天然ガスが噴出した。「ヤマルLNG」プロジェクトの開発進度は、足元で4割近くに達したという。
北極圏にあるため輸送コストの高止まりが想定され、体積を縮小して液化天然ガス(LNG)にすることが望ましい。北極海航路を経由し、LNG輸送船で外部輸送する計画だ。LNG生産ラインの3本については、2017〜19年にかけて相次ぎ稼働させる。関連設備の7割超は中国製の採用を決めた。ウクライナ問題に端を発した米国の経済制裁による資金繰り難で、これまで開発が遅延していたという。
19年からは毎年、LNG1650万トン、ホワイトオイル100万トンを生産。大部分のLNGは中国に輸出する。中国石油天然気集団は毎年300万トンを購入することで同意した。段階的に購入量を拡大させる。最終的には、年間の購入量を380億立方米(約2800万トン)に引き上げる契約だ。
これ以外にも、中露はエネルギーで協力を深める意向。天然ガスを西シベリア経由で中国に送る新パイプライン「中露西シベリア西線」(旧アルタイ線)の敷設構想も進展が予想される。これまでとん挫していたものの、16年上半期をめどに、ガスプロムは中国側と最終協議をまとめる方針だ。足元の天然ガス値下がりを踏まえて、稼働スケジュールは当初予定を2年先送り。新たに21年を目指す考えという。
中国のロシア産原油輸入量は、15年に4000万トンの大台を超えた。前年比で28%の伸び。第1四半期の輸入は680万トンにとどまったものの、16年は通年で4%増える見通しという。

【亜州IR】



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