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ロボ導入熱の中国で失業問題現実味、江蘇省昆山で100万人失職へ

注目トピックス 経済総合
ロボット導入に沸く中国で、失業率の上昇懸念が現実味を帯びている。EMS世界最大手グループの富士康科技集団(フォックスコン)ではロボット導入に伴い、江蘇省昆山に置くアップル製品受託工場の従業員を5万人に減らした。これまでのロボ導入で同工場は、従業員数が11万人まで減っていたが、今回の追加導入によってさらに6万人分の仕事がロボットに置き換えられた計算となる。今後一段と従業員が減る可能性も排除できないという。北京青年報が27日付で伝えた。
昆山市政府の発表によると、同市では昨年1年間だけでも、フォックスコンを含む企業35社がロボットを購入。それに投じた額は、合算で6億1000万米ドル(約677億円)に達した。
人の仕事をロボットに置き換える「機器人換人」プロジェクトに参加する同市企業の数は、今年600社まで拡大すると見込まれている。しかもこれら企業の生産額は、同市GDP(域内総生産)の6割以上を占める規模だ。同市政府の調査報告によると、「機器換人」が順調に進行していけば、同市企業で働く出稼ぎ労働者約100万人が向こう3年内に仕事を失う見通しだ。
しかしながら長江デルタ地域のその他工場が、こうした大量の労働力を吸収することは不可能。学歴や専門技術を持たない出稼ぎ労働者は故郷に戻らざるを得ないと言える。ただ、その故郷には、彼らを一手に受け入れられるだけの労働集約型工場が存在しない。
産業比率が徐々に高まっているサービス業に関しても、ネット通販が台頭する中で、人手に頼る従来型サービス業の委縮が進行中だ。製造業からはじき出された労働力の受け皿にはなり難い。
ロボットに仕事を奪われる職種は今後一段と広がっていくとみられる。ロボット普及策と並行し、中央や地方の政府は失業対策に迫られることは必至。適時対応していかなければ、新たな社会問題を引き起こしかねない状況に置かれている。

【亜州IR】



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