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(中国)銀行不良債権比率が上昇、5月末で2.15%に悪化

注目トピックス 経済総合
銀行業の経営圧力が全国的に増しつつある。融資リスクの拡大、損失準備金の計上、利益の浸食が起きている。これらマイナス要因を短期間内に取り払うことは難易度が高い。各銀行の経営者は、長期戦を繰り広げる覚悟が必要になるという。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が7日に報告した。
全国銀行の不良債権比率は、5月末時点で2.15%に上昇。年初比で0.16ポイント悪化している。総額規模は2兆人民元の大台を超えた。年初比で2800億人民元あまり積み上がったという。さらには、返済期限を90日以上過ぎた融資も増えてきた。2015年通年で銀行は11兆人民元を新規に融資。急ピッチな貸出が続いたことで、不良債権が発生し易い状況に陥った。
銀行不良債権の問題は、2012年から認識されている。当初は江蘇省や上海市など東部沿海エリアでクローズアップされた。その後は中部エリア、西部エリアにも広がってきている。14年以降は全国規模で不良債権のリスクが高まってきたという。
銀監会のデータによると、国内商業銀行の不良債権残高は、今年3月末時点で総額1兆3921億人民元に拡大。15年12月末比で1177億人民元(↑9.2%)増え、約11年ぶりの高水準を記録している。不良債権比率は1.67→1.75%(↑0.08ポイント)に上昇し、11四半期連続で悪化した。
“不良債権予備軍”の「関注類(注目先)」債権も急増している。今年2月末の時点で、3兆人民元に達したという。中国の商業銀行は、融資先の返済能力に基づいて債権を「正常類(正常先)」「関注類」「次級類(要注意先)」「可疑類(破たん懸念先)」「損失類(破たん先)」の5段階に分類。うち「次級」「可疑」「損失」が不良債権と位置付けられている。
「関注類」債権の増大は、潜在的な不良債権リスクの高まりを意味する。例えば国有最大手行の中国工商銀行(1398/HK)では、15年末の時点で「関注類」の占める比率が4.36%に達し、前年末の3.00%から1.36ポイント拡大した。中国農業銀行(1288/HK)の同比率は4.20%で、前年末の3.84%から0.36ポイント悪化している。

【亜州IR】



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