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NYの視点:FOMCが利上げを急ぐ必要性は見られず=ベージュブック

注目トピックス 経済総合

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月26−27日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。7月1日までのデータをもとにセントルイス銀が作成したベージュブックによると、米国経済はほとんどの地域で緩やかなペースで成長していることが明らかになった。また、経済見通しも全般に「楽観的」との結果となった。6月の半ばに行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票で、金融市場を一時震撼させたEU離脱決定のショックも、見通しには大きく影響していない模様。セントルイス連銀のブラード総裁も英国のEU離脱による米国経済への影響はほぼゼロだろうと指摘している。FOMCが緩和に転じる必要性はなく、引き続き、利上げ軌道を維持する方針を後押しする結果となった。

物価圧力は依然としえ弱いが、ほとんどの地区で上方の圧力が指摘されている。これは、連邦公開市場委員会(FOMC)の見通し通り、インフレが緩やかに目標値である2%に向かっている証拠となる。米国労働省が発表した4月、5月の雇用統計は低調な結果にとどまったが、前回の報告以降、雇用の伸びは引き続き拡大しており労働市場の状況は依然安定しているとの判断。ただ、賃金圧力は依然「緩慢ないし緩やか」と指摘された。

米国経済の7割を占める消費に関しては、全般的に楽観的だが鈍化の兆候も見られるとしており、現時点でFOMCは利上げを急ぐ必要性は見られない。製造業はまちまちだが全般的には改善。居住住宅の活動は引き続き強まった。融資需要も強まった。一方、エネルギーセクターは依然として弱い。結果は、FOMCの遅く緩やかで慎重な利上げ方針を後押しする。米金利先物市場でも7月の利上げ確率は4%に過ぎない。12月も32%と50%以下にとどまっている。



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