NYの視点:日銀による外債購入は金融政策として妥当なのか?
[16/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
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報道によると、浜田宏一内閣官房参与(米イエール大名誉教授)はロイターとの会見で「外為市場で円高が進行しているのは、アベノミクス失敗に賭ける投機的な動きである」と指摘し、為替市場への市場介入が難しければ、日本銀行による外債購入も選択肢になるとの見解を示した。
浜田氏は、マイナス金利政策や上場投資信託(ETF)の買い入れ額を倍増したにもかかわらず、為替市場で円高圧力が継続しているのは投機によって市場がゆがめられているせいであると考えているようだ。
市場関係者の間からは、日本の経常黒字は高水準であることから、為替相場が円高方向に振れることは投機的な動きであるとは言い切れないとの声が聞かれている。また、最近の円相場については「1ドル=120円レベルは実効為替レートでは極端な円安状態であり、最近の100-105円レベルでもかなりの円安水準」との見方がある。
為替相場を円安方向に誘導する狙いがある日銀の外債購入は、通貨安競争を煽るおそれがあるとの声が聞かれている。また、米国側では金利引き上げが検討されているが、ドル高につながる米国債購入は米国の金融政策に何らかの影響を与えることは否めない。
市場関係者の間では、実効為替レートが大幅な円安でも日本の経済成長は低いままであることから、「円安誘導を意図した金融・経済政策を政府・日銀が推進する理由がわからない」との見方が存在している。
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