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深セン・香港「相互乗り入れ」は12月5日スタート、A株に2.4兆円流入へ

注目トピックス 経済総合
中国証券監督管理委員会と香港証券先物委員会は25日、深セン・香港間の「相互乗り入れ」(両株式市場の相互取引)を12月5日にスタートすると発表した。中国側にとっては、証券市場の対外開放が一段と進む形。市場の活性化にもつながる見通しだ。市場関係者の間では、新たに750億〜1500億人民元(約1兆2000億〜2兆4000億円)の資金がA株市場に流入するとの試算も示されている。現地メディアが伝えた。
国泰君安証券のアナリストは、1日当たりの投資枠から試算して、A株市場への資金流入額が750億〜1500億人民元に達すると予想した。また、国聯証券は恩恵を受ける銘柄群として、◆白酒(パイチュウ:中国の蒸留酒)株など、香港では希少な深センA株、◆低バリュエーションで配当利回りの高い深センA株、◆AH価格差の大きい(=A株に対して割安な)H株、◆証券関連株??などを挙げている。
ただ、国泰君安証券によれば、新たに流入する資金の規模は深セン市場の時価総額の最大2%程度にとどまり、短期的な影響は限定的という。平安証券に至っては、売買を相殺すれば、深センA株市場から香港市場に資金が純流出となる可能性もあると指摘している。
8月時点の発表によれば、「相互乗り入れ」の投資対象は香港→深センで◆時価総額60億人民元以上の深セン成分指数と深セン中小創新指数の構成銘柄、◆AH重複上場銘柄??の約880銘柄。深セン→香港では◆ハンセン総合大型株指数の構成銘柄、◆ハンセン総合中型株指数の構成銘柄、◆時価総額50億香港ドル以上のハンセン総合小型株指数の構成銘柄、◆AH重複上場銘柄??の約420銘柄が対象となる。上海→香港の既存スキームに比べ、投資対象は増加している。
このほか、香港→深センに関しては、解禁の初期段階で、機関投資家のみベンチャー企業向け市場「深セン創業板」への投資が認められる。また、1日当たりの投資枠(売買相殺後の差額)は上海→香港の既存スキームと同額で、香港→深センで130億人民元、深セン→香港で105億人民元。既存スキームで設定されていた年間の投資枠については廃止される。
本土と香港の相互取引をめぐっては、2014年11月に上海・香港間の「相互乗り入れ」がスタート。その後、2015年末に深セン・香港間の取引開始が見込まれていたが、同年夏場のA株急落や人民元相場の下落を受けて先送りされていた。

【亜州IR】



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