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農民が運営するネットショップ「淘宝村」バブル化して相次ぎ閉鎖

注目トピックス 経済総合
 中国当局は近年、経済の新たなけん引力となる個人消費を拡大させるために、7億人以上とのインターネット人口をダーゲットに、全国各地で電子商取引(EC)サービス拠点の設立を推進している。地方の農村部でも、農民がネットショップの開設するのを推しており、なかには村の半分以上の世帯がネットショップを経営している、いわゆる「淘宝村(ネットショップ村)」もある。しかし、一部のメディアはEC業界はすでにバブル化しており、衰退している淘宝村がすでに現れていると報じている。

■農業などをやめて「淘宝網」で続々とネットショップを開店

 中国電子商取引最大手アリババが運営するショッピングモールサイト「淘宝網」の通販プラットフォームを利用し、村の半分以上の世帯がネットショップを経営している「淘宝村(ネットショップ村)」は2009年から相次いで現れた。

 アリババ集団傘下市場調査会社の阿里研究院(アリ・リサーチ)は、淘宝村について、繁盛しているネットショップ数が村の全体戸数の10%以上を占め、また年間取引金額が1000万元(約1億6000万円)以上に達している村であると定義する。

 台湾メディア「中央社」(18日付)によると、木材加工でも有名な山東省曹県には過去数十の「淘宝村」があったが、現在各村では経営難でネットショップが相次いで倒産した。

 地元の住民が同メディアに対して、より多くの収入を望んだ農民たちは、09年から農業などをやめて「淘宝網」で続々とネットショップを開店したと話した。13年に阿里研究院に「淘宝村」と認定された曹県の丁楼村では、15年になると、村全体300世帯のうちの280世帯がアパレル関連ネットショップや工場に携わっている。他の村でも、同様な状況が現れたという。

 しかし、村民たちは国内メディアが宣伝しているほど収益がよくないと話し、「淘宝網からサポートサービスも受けたことがない。しかも、(プラットフォームの)利用料が安くなかったし、(ネットショップの運営などの)研修を受けるのもお金を支払わなければならなかった」と言った。

■中国では1300の淘宝村 ショップ増加で価格競争 収益低下で運営難、そして残された巨額負債

 阿里研究院が今年2月に発表した『2016年中国淘宝村研究報告』によると、現在中国では1300の淘宝村があり、18の省・市・区に分布している。また、淘宝村は最も集中している省は、沿岸部の浙江省、江蘇省と広東省だという。

 中国当局による「EC業界拡大」方針の下で、各地方政府も農村部でのネット通販業の規模拡大に力を入れ、莫大な融資を行ってきた。しかし、結果的にネットショップの急増で、同業者間の価格競争が激しくなり、収益が低下したことでショップが経営難に陥り、巨額な債務を負うようになった。

 国内メディアが曹県の淘宝村では「各家に高級車が2台もある」や「各家には別荘を持っている」と宣伝し、村がECビジネスで成功したとしている。しかし、「中央社」は、実際に上述の丁楼村などを訪ねてみると、村には一般的なレンガ造りの家があちこちに点在し、豪邸がそれほどなかったとした。また、同村のネット通販関連の店や工場が集中する通りでは、店のシャッターがほとんど下ろされた状態で、通りには一人の人もいなかったとの寂しい状況だという。

 国内民間研究機関の中国電子商務研究センターが13日に発表した『農村淘宝の存続現状調査』では、農村部で「淘宝村」を推進することが楽観的ではないとの認識を示された。原因は、ショップ側が負担するソフトウェア面のサービス・コストが高く、ショップ側の収益が少ないことや、また実際ショップ設立後、プラットフォームを提供する側(淘宝網)の約束が設立前と大きく違うことにあるとした。

(翻訳編集・張哲)

【ニュース提供・大紀元】




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