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NYの視点:米消費者は景気に楽観的、雇用が支えに、政治混乱でも

注目トピックス 経済総合
トランプ政権への信頼低下、米朝問題の深刻化に加え、ハリケーン「ハービー」による被害も拡大する可能性などが警戒されている。このようなイベントが米国経済の成長を引き続き抑制していくとの懸念が強まっている。こうした環境にもかかわらず、強い雇用市場が消費者の経済への楽観的な見方につながっていることが明らかになった。FOMCメンバーを含め、市場関係者もトランプ米大統領による経済政策の実施を見通しに織り込んでいないながらも、消費が成長を支えていく可能性がある。

民間コンファレンスボードが発表した8月消費者信頼感指数は122.9と、予想120.7を上回り2000年以降2番目に高い水準となった。現況指数は151.2と、7月の145.4から上昇し、2001年7月以降16年ぶりの高水準。期待指数は104.0と、7月の103から上昇。4月来で最高となった。期待指数と現況指数との差は景気後退以降で最大を記録。1990年のサイクルと同じと考えると、金融緩和下、潜在的に著しい上方トレンドにつながる可能性もあると指摘されている。

トランプ政権は掲げていた医療保険制度改革法(オバマケア)の廃止・代替案の成立、税制改革、インフラ出動などで未だメドが断っていない。加えて、9月に入り債務上限問題を解決する必要も出てくる。こういったネガティブ要因が山積みとなる中、順調な雇用が楽観的な消費マインドに大きく影響している。調査は、人種差別問題が再表面化しトランプ米大統領の信頼が大幅に低下したきっかけとなった8月12日のシャーロットビルの騒動以降に実施されている。

指数で現況の雇用が「十分」と答えたのは35.4と、前月33.2、前年同月26.8から上昇。「不十分」は47.3と、前月48.1、前年同月50.4から低下した。雇用を得るのが「困難」との答えは17.3と、前月18.7、前年同月22.8から低下。「十分」と、「困難」との差は18.1に広がり、2001年7月以来で最大となった。労働市場への自信が確認された形。また、6ヶ月間に所得が増加すると見ているのは20.9と、前月20、前年同月18.5から上昇している。賃金は時間差が出る指標として知られているが、FOMCの予想通り、労働市場の強さが賃金の伸びにいずれつながり、インフレをも押し上げると最終的に12月の追加利上げをも可能にする。

米8月消費者信頼感指数
現況
雇用
十分35.4と、前月33.2、前年同月26.8
不十分47.3と、前月48.1、前年同月50.4
困難17.3、前月18.7、前年同月22.8。

6ヶ月予想
雇用
増加:17.1(18.5、前年同月14.4)
減少:13.0(13.2、17.5)
所得
増加:20.9(前月20、前年同月18.5)
減少:7.8(9.5、11.0)



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