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NYの視点:今週の注目点:米GDP、イエレンFRB議長証言、上院税制改革、予算案、ロシアゲート

注目トピックス 経済総合
今週は税制改革法案、債務上限の行方、昨年の大統領選挙におけるトランプ政権とロシアの関係を巡る疑惑で、ムラー特別監査官による捜査の行方を警戒した展開が予想される。また、上院はイエレンFRB議長が任期満了後に次期議長に指名されているパウエル氏の公聴会を予定している。議会の承認後、議長就任が決まる。公聴会で、パウエル氏の金融舵取りの方針を判断していく。

暫定予算は12月8日に再び期限がくる。2018年会計年度の予算で合意なく政府機関閉鎖の危機を回避するため、トランプ大統領は歳出法案を巡り28日に、議会指導者と会合を行う。予算案協議はメキシコ国境の壁建設費などを含み難航が予想されるため、再度暫定予算が組まれるとの思惑。

さらに、上院は感謝祭明け後早速、税制改革案に関する討議を開始。年内の成立を目指し、早くて30日にも採決にこぎつけたい意向だという。しかし、民主党の支持が得られない中、共和党議員票の中で、失えるのは2票だけ。共和党、ウィスコンシン州選出のロン・ジョンソン上院議員がすでに現行の案に反対を表明しているほか、2018年中間選挙で再選を望んでいないマケン上院議員(アリゾナ州)、コーカー上院議員(テネシー州)、フレーク上院議員(アリゾナ州)が反対に傾斜する可能性もあり、上院の可決には依然懐疑的見方が少なくない。

米国経済では、7-9月期国内総生産(GDP)改定値、全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数、連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注視しているPCEコアなどに注目が集まる。また、イエレンFRB議長の証言も予定されている。FRBは12月のFOMCの材料となるベージュブックを発表。経済の回復が継続していることが表明されると、12月の追加利上げをさらに確実にする。

一方、欧州でも政局混乱が懸念材料となるが、景気の強さが投資家心理を支えていく可能性がある。大連立政権の発足が難航しているドイツでは、シュタインマイヤー大統領、CDU党首、メルケル首相、SPDのシュルツ党首、CSUのゼーホーファー党首が、今週会談することで合意。期待感も強まりつつある。ただ、アイルランドの公共放送RTEなどによると、少数与党の統一アイルランド党に閣外協力する第2党の共和党がフィッツジェラルド副首相に対する不信任案を提出する意向を23日表明、政権崩壊の危機となった。閣外協力が崩壊すれば、12月にも総選挙となる公算が大きくなると報じられている。英北アイルランドとの国境問題が英国の欧州連合(EU)離脱交渉で焦点の一つとなっているだけに離脱交渉にも影響を与える可能性が懸念されている。

■今週の主な注目イベント

●米国

27日:ダドリーNY連銀総裁が経済に関する講演、
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が質疑応答、
米国上院、税制改革に関する討議開始、

28日:パウエル氏の上院銀行委員会公聴会開始、
トランプ大統領は歳出法案を巡り
28日に、議会指導者と会合、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁

29日:イエレンFRB議長合同経済委員会で証言、
7-9月期GDP改定値:予想:前期比年率3.2%、速報値+3.0%)ベージュブック公表、ダドリーNY連銀総裁講演
ウィリアム米サンフランシスコ連銀総裁講演、

30日:10月PCEコア:予想:前年比+1.4%(9月+1.3%)、
ランダル・クォールズFRB事講演、カプラン米ダラス連銀総裁講演

12月
1日:11月ISM製造業景況指数:予想58.3(10月58.7)ブラード米セントルイス連銀
総裁講演、カプラン米ダラス連銀総裁講演、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演、

●OECD
28日:世界経済見通し発表

●欧州
30日:「シュタインマイヤー大統領、CDU党首、メルケル首相、SPDのシュルツ党首、CSUのゼーホーファー党首は、今週会談することで合意」

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ





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