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「まるで茹でガエルのよう」中国共産党の浸透工作に警戒を=米公聴会

注目トピックス 経済総合
「米中国交正常化40年の歴史は偽りだったのか、疑問視されているところだ」。米国中央情報局(CIA)前中国担当局長は最近、ホワイトハウスで開かれた中国問題に関する公聴会で、中国共産党による海外浸透工作に対して危機感をあらわにした。

「外交関係」という名目に庇われる「統一戦線工作」から、教育の名を借りて共産党思想宣伝を行う言語機関「孔子学院」。国内大手ハイテク企業の検閲受け入れ、中国資本に左右されるハリウッド映画。日本でも散見される中国共産党の手広い浸透工作は、民主主義の国の基本的価値観や国益を脅かしている。

ホワイトハウスでは12月13日、中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)が、中国共産党による民主国家への勢力浸透について専門家らを招いた公聴会を開催した。題は「中共政権の長い腕:中国式権威主義は世界に輸出」と名付けられた。前回は人権問題を焦点を当てていたが、今回は、より広範に影響を及ぼす社会浸透工作をテーマにした。

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「私たちはやっと気づき始めた。思っている以上に、すでに中国(の浸透工作)は、私たちの社会に溶け込んでいる」。出席した中央情報局(CIA)の前中国担当局長でシンクタンクの戦略国際研究センター上級顧問のクリストファー・ジョンソン氏は語った。

米国メディアは、2016年の大統領選をめぐるロシア介入疑惑について注力していたが、中国の浸透工作については、あまり報じていない。「ロシアの手法に比べると、中国のほうがはるかに慎重で、ターゲットを絞っている。また、長期的な影響力を築いている」と警告した。

6000万人の在外中国人を「指導」する中央統戦部

ジョンソン氏は、米中国交40年が果たして正常な関係に基づいていたのかさえ疑問視するほど、共産党による対米浸透工作を深刻に受け止めている。同氏によると、この指揮は党の中央統一戦線工作部(中央統戦部)が行っている。中国の中央指導部である中国共産党中央委員会に直属する情報機関だ。

中央統戦部は、6000万人いるとされる海外に渡った中国人の「思想指導役」を担っている。マスコミ、学生、学校教員、企業家、政治家など、構成員もさまざまだ。この在外中国人たちは、中央統戦部の「指導」に基づいて、意識的あるいは無自覚に活動している。

保守や伝統的価値を有する組織がターゲット 弱体化させ解体を狙う



中央統戦部に詳しい専門家によると、在外中国人の活動目的は、共産党体制のコントロール外とみなされた思想組織を攻撃し、組織を弱体化・解体させることにある。その手段は、不和を起こして内部分裂させたり、悪質なレッテル貼りなどで社会から疎外させたりしている。

攻撃対象例は人権弁護士、民主活動家、チベットやウイグル、台湾など各地区の独立容認派、法輪功など。その他、自由主義や民主主義、保守的な思想、仏道儒の三教に基づく伝統的価値など、共産党イデオロギーの異見となる主張も含まれる。

中央統戦部の活動は大きく拡大している。CECC委員長を務めるマルコ・ルビオ(MarcoRubio)上院議員は、日本でも当てはまる工作事例を挙げた。たとえば工作員は▼勧誘や賄賂、脅迫などの手段で強引な取引を行う▼マスコミを使い世論を操作し、中国共産党寄りに傾くようにする▼中国という巨大市場を誘惑の材料にして、独裁政治を正当化させるような思想を海外に拡散する、など。

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学校機関では、日本や西側諸国が伝える歴史事実や領土などの見解を受け入れようとしない中国人留学生が、教師の講義内容に異議を申し立て、学校側に授業内容の変更や謝罪を求めるなどの事態が起きている。

教育を通じた対外宣伝には、孔子学院が知られている。中国国務院によると、すでに1500以上の関連組織を世界中に設ける孔子学院の目的は「核心価値である社会主義を基礎とした教育を広める」「中国の夢を宣伝する」としている。日本には、早稲田大学、立命館大学、桜美林大学、工学院大学、武蔵野大学など20以上の教育機関に設置されている。

マスコミでは、ニューヨーク・タイムスなど在米有力紙に中国官製英字紙チャイナ・デイリーを定期的に織り込ませ、読者を無自覚に洗脳している。近年、共産党機関紙の日本語版が急増している。新華社通信、人民日報、中国国際放送局などの電子版は、相次ぎ日本語サイトを開設した。CNS(チャイナ・ニュース・ネットワーク)や人民網(チャイナ・ネット)と名付けられた媒体から共産党政策の宣伝、中国賛美を中心としたニュースが流されている。

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各国は中国共産党の浸透工作への対策に追われている。オーストラリアのターンブル首相は12月5日、中国政府の政治介入を念頭に、外国人や外国企業・団体からの政治献金を禁止する選挙法改正案を議会に提出すると発表した。

CECC委員長を務めるマルコ・ルビオ議員は先のホワイトハウスでの公聴会で次のように表現した。「足元で大きな異変が起こっているにも関わらず、私たちはそれにほとんど気づいていなかった。まるで茹でガエルのように」。

(翻訳編集・王君宜/佐渡道世)

【ニュース提供・大紀元】




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