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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆自律反発力を模索◆

注目トピックス 経済総合
〇プログラミング売買の弊害、反転タイミングを探る〇

株式市場もビットコインと大差なかったと言うことであろうか。 週明けのNY株は、午後に前場寄付き安値を割り込むと下げピッチが加速、NYダウは一時1597ドル安、引けで1175ドル安、4.6 %安となった。
ファンダメンタルズ、あるいはイベント的な悪材料が出た訳でなく、いわゆる「売りが売りを呼ぶ」展開だったようだ。コンピュータによる高速売買やAI投資と言った仕組みが自動的にリスク回避行動を呼び込んだと思われる。

5日の東証空売り比率は44.5%、16年のブレグジットの時に47.1% があるので、過去最高ではないが、売り方主導の展開になっている。 NY市場コメントで「S&P500指数が2700を割り込んで下げが加速した」と言うのがあったので、勢いを増している売り方がフシ目を割り込ませる攻勢を掛けた可能性も考えられる。彼らが使うであろうVIX恐怖指数は115.6%高の37.32(前日は18前後、長らく10前後で低迷していたので、急騰ぶりが目立つ。コンピュータが売り信号と捉えている可能性がある)。売り方が攻勢を掛ける時、チャートのフシ目を吹っ飛ばし、不安心理を増長することを狙う。

時間外のNYダウ先物が24000ドル台を割り込んでいるので、今朝の東京市場も大幅続落ムードを受け継ぐ。米10年債利回りは2.885%を記録した後急低下し、NY時間17時は2.7093%。前週初めの2.654%を窺う勢い。今週は6日に3年債260億ドル、7日に10年債240億ドル、8日に30年債160億ドルの財務省入札が行われる予定で、混乱を招くリスクがある。
常識的には金利の落ち着きどころを見極めて、反転ムードが出て来ると思われるが、スピードが速く、急変動を繰り返す恐れはある。戻りのスピードを巡って、意見は対立しているようだ。

高値警戒ムードは急速に修正されるので、下値拾いの動きが何処から広がって来るかが焦点になる。昨日の東証一部配当利回り3%以上は103銘柄だったが、おそらく急増しよう。日本の場合、3月末配当銘柄が多いので、(第3四半期決算は大半が終わったタイミングだが)企業 の増配、自社株買いの動きが注目される。

平昌五輪通過後の北朝鮮情勢に不透明感が強いので、政治リスクはその動向に左右されると見られる。昨日、世界で唯一プラス圏をキープした 中国市場は、今年は遅い春節休暇に入る。中国市場は外部と遮断されているので、あまり参考にならないが、追加的な悪材料が出るかどうか、中国の行方にも関心が集まると考えられる。
また、ブレグジット交渉が第2ラウンドに入る(おそらく、これが本番)。
ドイツの政権交渉は依然難航している。欧州の落ち着きムードが出て来るかも注目ポイントとなろう。


以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/2/6号)



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