海運業界に変革をもたらすブロックチェーンソリューションの実証実験に成功
[18/04/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
ベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABInBev)、アクセンチュア株式会社、シンガポールの海運大手APL、スイスの物流大手キューネ・アンド・ナーゲル(Kuehne+Nagel)、ヨーロッパの税関組織で構成されるコンソーシアムは、物流業界での貿易書類のペーパーレス化や年間数億ドルのコスト削減を図ることが可能となるブロックチェーンソリューションの実証実験に成功した。
貿易関連書類を紙や電子媒体でやり取りする代わりに、ブロックチェーン技術を活用し、情報の種類に応じた管理ルールに沿ってデータを共有し、分散管理できるソリューションの実証実験を行った。
実証実験では、現在の書類作成プロセスを見直すことで、ブロックチェーン技術が持つ高い信頼性とセキュリティが、情報所有のあり方や説明責任、リスクにどのような変化をもたらすかについても検証を行った。
現在、自動車をはじめ小売、消費財などの国際貨物輸送では、商品の輸出入に必要な書類が通常20種類を超え、その多くが紙によるやり取りである。そのうち、最大70%のデータは重複している。書類作成はかなり煩雑な作業を強いられ、データの品質確保や取引関係者全員がリアルタイムで内容を把握することはほぼ不可能に近く、時と場合によっては支払いが遅延することも珍しくはない。
ところが、ブロックチェーンソリューションを利用すれば、書類手続き全般のスピードアップ化が実現する。入力が必要なデータを最大で80%も削減できるし、輸送プロセス全体で簡単にデータを修正もできる。貨物チェック作業の合理化や、通関関連法令に違反した場合に課される罰則の負担とリスクの軽減も図ることができるのだ。
ブロックチェーン技術は、複数の参加者が同じ情報に安全かつ確実にアクセスできる環境でデータを保管、記録する、新たな分散型データベースシステムなので、金融サービスや行政、ヘルスケア、エンターテイメント、運輸、物流などのあらゆる業界に対して業務変革をもたらすことができる。
アクセンチュアの運輸・物流部門を率いるアドリアナ・ディーナー=ベイノット(AdrianaDiener-Veinott)氏は、次のように述べている。
「今回、データの所有権を明確に定義して安全かつ分散的にデータを管理すれば、運輸プロセスにおいて多くの書類が不要になる可能性が明らかになりました。これにより、企業は、時間とコストを節減しつつ、顧客サービスを改善することができます」
このコンソーシアムは、国際輸送に関わる代表的な企業や組織で構成されており、規制要件がそれぞれ異なる12カ所への輸送案件を対象に、ソリューションの実証を行ったが、その結果として見えてきたものは、ブロックチェーン技術によって運用コストの削減とサプライチェーンの可視性の向上を実現できることがわかったことだった。
今回の実証実験では、運輸プロセスにおける代表的な役割をコンソーシアム内の企業、組織でそれぞれ分担して実証実験を行った。アンハイザー・ブッシュ・インベブは輸出企業として、APLは運送会社として参加し、キューネ・アンド・ナーゲルは運送会社に指示を与える役目を担ったほか、ヨーロッパの税関組織は貨物に課される規制要件を実証実験の中で再現した。アクセンチュアはテクノロジーおよびコンサルティングの観点でブロックチェーンに関する知見やノウハウを提供したほか、迅速にプロトタイプを行うため、シンガポールにあるIoT専門チームと連携して、ブロックチェーンソリューションに必要なテクノロジーアーキテクチャを開発した。
APLでストラテジック・ライナー・マネジメントを統括するエディー・ング(EddieNg)氏は次のように述べている。
「APLは、国際貿易を促進し、イノベーションを強く支持する企業として、ブロックチェーン技術が持つ大きな可能性に注目しています。ブロックチェーンにより、コンテナ輸送業界のデジタル変革は大きく前進し、従来の紙ベースの手続きは、サプライチェーン全体でより効率的で安全かつ高速な手続きに置き換わっていくでしょう。今回の実証は、ブロックチェーンをはじめとした創造的破壊をもたらす技術が、業界、ひいては荷主やその顧客にどのように役立つかを検証するものであり、こうした画期的な取り組みに参加できたことを光栄に思います」
また、キューネ・アンド・ナーゲルの最高情報責任者(CIO)であるマーティン・コルベ(MartinKolbe)氏はこう語っている。
「当社はデジタル化戦略の一環として、お客様にメリットをもたらす革新的な技術の活用方法を模索しています。ブロックチェーンは、物流業界で最も有望な技術の1つであり、今日の紙ベースのプロセスの多くをデジタル化して、バラバラだった物流情報システムのインターフェースを整備できる可能性を秘めています。今回のプロジェクトでは、さまざまな企業や組織が相互に連携しながら実証を行いました。こうしたアプローチこそが、業界をけん引しながら、市場で受け入れられるためのカギになると考えています」
さらに、アンハイザー・ブッシュ・インベブで国際物流事業のバイスプレジデントを務めるダニーロ・フィゲイレド(DanilloFigueiredo)氏は、次のように語っている。
「当社は、新しい技術とイノベーションを絶えず評価することで、お客様のニーズに応え、新鮮なビールを提供できるオペレーションの整備に取り組んでいます。ブロックチェーンは、当社のビジネスのみならず、世の中にも変革をもたらす技術になるでしょう。ブロックチェーンによって業務上のミスが減り、情報がデジタル化され、サプライチェーンのプロセスが改善されれば、当社は、お客様のために最高のビールを作るという中核業務により集中することができます」
【ニュース提供・エムトレ】
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貿易関連書類を紙や電子媒体でやり取りする代わりに、ブロックチェーン技術を活用し、情報の種類に応じた管理ルールに沿ってデータを共有し、分散管理できるソリューションの実証実験を行った。
実証実験では、現在の書類作成プロセスを見直すことで、ブロックチェーン技術が持つ高い信頼性とセキュリティが、情報所有のあり方や説明責任、リスクにどのような変化をもたらすかについても検証を行った。
現在、自動車をはじめ小売、消費財などの国際貨物輸送では、商品の輸出入に必要な書類が通常20種類を超え、その多くが紙によるやり取りである。そのうち、最大70%のデータは重複している。書類作成はかなり煩雑な作業を強いられ、データの品質確保や取引関係者全員がリアルタイムで内容を把握することはほぼ不可能に近く、時と場合によっては支払いが遅延することも珍しくはない。
ところが、ブロックチェーンソリューションを利用すれば、書類手続き全般のスピードアップ化が実現する。入力が必要なデータを最大で80%も削減できるし、輸送プロセス全体で簡単にデータを修正もできる。貨物チェック作業の合理化や、通関関連法令に違反した場合に課される罰則の負担とリスクの軽減も図ることができるのだ。
ブロックチェーン技術は、複数の参加者が同じ情報に安全かつ確実にアクセスできる環境でデータを保管、記録する、新たな分散型データベースシステムなので、金融サービスや行政、ヘルスケア、エンターテイメント、運輸、物流などのあらゆる業界に対して業務変革をもたらすことができる。
アクセンチュアの運輸・物流部門を率いるアドリアナ・ディーナー=ベイノット(AdrianaDiener-Veinott)氏は、次のように述べている。
「今回、データの所有権を明確に定義して安全かつ分散的にデータを管理すれば、運輸プロセスにおいて多くの書類が不要になる可能性が明らかになりました。これにより、企業は、時間とコストを節減しつつ、顧客サービスを改善することができます」
このコンソーシアムは、国際輸送に関わる代表的な企業や組織で構成されており、規制要件がそれぞれ異なる12カ所への輸送案件を対象に、ソリューションの実証を行ったが、その結果として見えてきたものは、ブロックチェーン技術によって運用コストの削減とサプライチェーンの可視性の向上を実現できることがわかったことだった。
今回の実証実験では、運輸プロセスにおける代表的な役割をコンソーシアム内の企業、組織でそれぞれ分担して実証実験を行った。アンハイザー・ブッシュ・インベブは輸出企業として、APLは運送会社として参加し、キューネ・アンド・ナーゲルは運送会社に指示を与える役目を担ったほか、ヨーロッパの税関組織は貨物に課される規制要件を実証実験の中で再現した。アクセンチュアはテクノロジーおよびコンサルティングの観点でブロックチェーンに関する知見やノウハウを提供したほか、迅速にプロトタイプを行うため、シンガポールにあるIoT専門チームと連携して、ブロックチェーンソリューションに必要なテクノロジーアーキテクチャを開発した。
APLでストラテジック・ライナー・マネジメントを統括するエディー・ング(EddieNg)氏は次のように述べている。
「APLは、国際貿易を促進し、イノベーションを強く支持する企業として、ブロックチェーン技術が持つ大きな可能性に注目しています。ブロックチェーンにより、コンテナ輸送業界のデジタル変革は大きく前進し、従来の紙ベースの手続きは、サプライチェーン全体でより効率的で安全かつ高速な手続きに置き換わっていくでしょう。今回の実証は、ブロックチェーンをはじめとした創造的破壊をもたらす技術が、業界、ひいては荷主やその顧客にどのように役立つかを検証するものであり、こうした画期的な取り組みに参加できたことを光栄に思います」
また、キューネ・アンド・ナーゲルの最高情報責任者(CIO)であるマーティン・コルベ(MartinKolbe)氏はこう語っている。
「当社はデジタル化戦略の一環として、お客様にメリットをもたらす革新的な技術の活用方法を模索しています。ブロックチェーンは、物流業界で最も有望な技術の1つであり、今日の紙ベースのプロセスの多くをデジタル化して、バラバラだった物流情報システムのインターフェースを整備できる可能性を秘めています。今回のプロジェクトでは、さまざまな企業や組織が相互に連携しながら実証を行いました。こうしたアプローチこそが、業界をけん引しながら、市場で受け入れられるためのカギになると考えています」
さらに、アンハイザー・ブッシュ・インベブで国際物流事業のバイスプレジデントを務めるダニーロ・フィゲイレド(DanilloFigueiredo)氏は、次のように語っている。
「当社は、新しい技術とイノベーションを絶えず評価することで、お客様のニーズに応え、新鮮なビールを提供できるオペレーションの整備に取り組んでいます。ブロックチェーンは、当社のビジネスのみならず、世の中にも変革をもたらす技術になるでしょう。ブロックチェーンによって業務上のミスが減り、情報がデジタル化され、サプライチェーンのプロセスが改善されれば、当社は、お客様のために最高のビールを作るという中核業務により集中することができます」
【ニュース提供・エムトレ】
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