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マレーシア首相、初の外遊先は日本 脱中国の姿勢を鮮明に

注目トピックス 経済総合

15年ぶりに政権復帰したマレーシアのマハティール首相(92)は、初の外遊先として日本を選んだ。同首相は11〜12日までの日程で日本に滞在する。マレーシア外務省は、今回の訪日を通じて、マレーシアと日本など同地域各国との間で、より幅広い経済提携を強化していきたいとの声明文を発表した。マハティール新政権が、新らたな「ルックイースト」政策(東方政策)で、これまでの中国偏重の国内経済政策を転換していく姿勢が鮮明となった。

同国外務省が9日発表した声明では、マハティール首相は、日経新聞が主催する国際会議「アジアの未来」に出席するため訪日するとした。

日本滞在期間中、安倍晋三首相との会談が予定されている。また、日本-マレーシア経済協会や日本の商工会議所、対外貿易機関など経済界関係者との会談も行う見通しだ。

また同声明は、「アジアの未来」に出席する同地域の各国関係者に対して、マハティール政権は、今後の貿易や外国直接投資政策についてアピールしていくと言及した。

マレーシア国営通信社電子版(11日付)によると、同日の「アジアの未来」に出席したマハティール首相は、今後同国で国産自動車の製造に力を入れる意向を示した。また、世界最高齢の指導者の一人でもある首相は、天寿が全うするまで首相としての責務を果たしていくと意気込んだ。

ロイター通信は10日、マハティール首相は訪日で中国以外の国からの投資を誘致するとの目標を掲げているとの見方を示した。同首相は、ナジブ前政権が残した莫大な債務問題を解決するために、財政再建を迫られている。財政の健全化を図るには、海外からの投資が必要だ。

また、首相復帰を果たしたマハティール氏が、初の訪問先を日本としたことで、首相がかつて主張した経済政策「ルックイースト」の復活を表明したとみられる。この政策の再起動を通じて、マハティール政権は中国の影響下からの脱却を模索していると推測できる。

5月末、マレーシアは、総工費1100億リンギット(約3兆273億円)規模のシンガポールーマレーシア間高速鉄道計画を中止すると発表した。また、140億ドル(約1兆5369億円)規模の東海岸鉄道計画も見直している。両事業は、中国の「一帯一路」経済圏構想の重要なプロジェクトと位置されており、中国企業が建設工事を請け負う予定だった。

一方、宮川真喜雄・駐マレーシア大使はこのほど、マレーシア国営通信社に対して、「マハティール氏の首相再就任につれて、日本の製造業が、マレーシアへの進出・投資を前向きに検討するだろう」と述べた。

1981年〜2003年まで、当時のマハティール政権は、日本の経済成長をモデルにした「ルックイースト」経済政策を提唱し実施した。首相は当時、「先進国に向けて経済的飛躍を実現するには、日本と韓国を手本にすることが必要だ」と述べ、親日家として知られていた。

この政策で、当時マレーシア政府は日本製造業など各分野の技術や経営哲学などを学ぶのに多くの留学生を派遣した。日本外務省の統計によると、2017年まで、マレーシアから約1万6000人の留学生や研究生が来日した。

「ルックイースト」政策は、2003年以降マハティール氏の退任で立ち消えになった。

(翻訳編集・張哲)



【ニュース提供・大紀元】




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