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ブロックチェーンベースの新しいAI音声アシスタントで日本のコネクテッドホームのプライバシーを保護

注目トピックス 経済総合
コネクテッドデバイスに搭載する音声プラットフォームを開発するフランスのスタートアップであるSnipsは、コネクテッドホームデバイスのプライバシーを守る音声プラットフォーム「SnipsAIR」を発表した。
2019年末に提供開始予定の「SnipsAIR」は、プロセス全体を通してプライバシーを考慮する「Private-by-Design」に準拠した分散型プラットフォームで、音声アシスタントに取って代わるソリューションである。
「SnipsAIR」は、ユーザーのデータをクラウドに保存しないで、デバイス上ですべてのデータを処理し、家族の個人データをスマートホーム内にとどめることができる。
Snipsは、あらゆるデバイスにAIアシスタントを搭載し、テクノロジーを感じさせない直感的な操作ができる。2017年6月から提供しているSnipsのプラットフォームには、1万4000以上のデベロッパーが登録し、2万4000以上の音声アシスタントを開発した。
現時点で、日本語版、英語版、フランス語版、ドイツ語版が利用でき、2020年までに中国語版と韓国語版を追加することにしている。
日本は東アジア地域における重要な市場であり、Snipsは2018年6月に、日本語版の音声テクノロジーを発表。SnipsはイノベーションプラットフォームPlugandPlayに採用されており、この夏開催されるPlugandPlayIoTJapanでも紹介される予定だ。
Snipsは、年内に日本で製品を販売するために、日本のメーカーと最終的な協議を進めており、2018年秋までに合同プロジェクトを立ち上げるために、パートナー企業の選定では、PlugandPlayJapanの支援を受けている。
Snipsはこれまでに、KorelyaCapital、MAIFAvenir、BPIFrance、EniacVenturesなどの投資会社から2200万ユーロの資金調達を行い、Snipsを率いるランド・ヒンディは、MITテクノロジーレビューの「35歳未満のイノベーター35人」やフォーブス誌の「30アンダー30(30歳未満の重要人物)」の起業家にも選ばれている。
現在の音声アシスタントは、機械学習モデルの質を改善する目的でユーザーのデータをクラウドに送信しているが、それによって家族のプライバシーが侵害され、個人データが乱用される恐れがある。アマゾンは、ユーザーに対し、リスニングデバイスを家庭の各部屋に設置するよう推奨しているが、ユーザーは依然として個人情報が漏洩し、不特定の人に送信されるという問題に直面している。
Snipsは、エッジコンピューティングとAIRネットワークブロックチェーンを利用し、ユーザーが自分のデータを管理できる分散型プラットフォームを構築することで、この問題を解決する。Snipsの技術で、データはすべてローカルデバイスで処理され、クラウドのバックエンドには送信されない。そのため、「SnipsAIR」は、ユーザーの情報を入手しなくても、大量監視やハッキングからユーザーを守ることが可能である。
Snipsの創業者で、最高経営責任者のランド・ヒンディ氏は、次のように述べている。
「既存の音声アシスタントには、個人データの集中管理、プライバシーの侵害、ユーザーやデベロッパーのエクスプロイテーション(脆弱性の悪用)といった、今日のインターネットにまつわる問題が表れています。2019年後半に発売される『SnipsAIR』は、プライバシーの保護について懸念されているご家庭に、これまでの製品に代わるソリューションを提供します」
「SnipsAIR」は、日常のあらゆるシーンで、ホームオートメーション(照明の管理、温度調節、窓の開閉)、天気、マルチメディア、料理、日付・時刻、カレンダー、リマインダーなど、多くのビルトインアプリに搭載できる。デベロッパーは、「SnipsAIR」向けに追加アプリを開発し、Snipsの分散型アプリストアでリリースできる。
OEM企業は、自社製品にSnipsアシスタントを搭載し、ユーザーのプライバシーを守りながら、アプリストア、デベロッパーコミュニティ、AIRブロックチェーンといったSnipsの音声エコシステムを活用できる。

■「SnipsAIR」の仕組み

ユーザーは、AIRブロックチェーンを利用し、分散型台帳のネットワークを通じて学ぶ機械学習モデルに暗号化したデータを送信し、そのメリットを享受する。アプリケーションデベロッパーは、処理されたデータを収集し、暗号化されたユーザーのデータを含んだ新しい機械学習モデルを得る。AIは、関連性のある暗号化された学習を利用してブロックチェーン上で学習するため、ユーザー自身は自分の個人データを漏らすことはなく、デベロッパーはユーザーのデータを活用して新しいアプリケーションをSnipAIRプラットフォームに追加できる。
Snipsアプリストアは、トークンキュレーション型のマーケットプレイスなので、デベロッパーのコミュニティは検閲を受ける心配はなく、プラットフォームを活用できる。Snipsは、集中型のアシスタントとは違い、デベロッパーの開発に口出しはしない。デベロッパーコミュニティは、携帯アプリストアで発生する集中型の検閲を受けないで、自らの判断でアプリストアをキュレーションし、高品質のアプリだけをリリースできる。


【ニュース提供・エムトレ】




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