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米EU、「敵」から一転 貿易戦回避へ 中国は苦境

注目トピックス 経済総合

トランプ米大統領は25日、訪米中の欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のユンケル委員長と米EU間の貿易をめぐって協議を行った。両首脳は、今後自動車を除く工業製品に対する「貿易障壁撤廃、ゼロ関税、ゼロ政府補助金」へ向けて取り込むことで合意した。また、EUが今後、米国産大豆や液化天然ガス(LNG)などの輸入を拡大する方針を示した。

ロイター通信などによると、米中貿易摩擦の激化を受けて、中国当局は今月初め、米国に対抗するよう、EUに対して連携を働きかけたが、EUはこれを拒否した。

通商問題をめぐって米国とEUが歩み寄り、中国当局が一段と厳しい境地に追い込まれた。米とEUの和解は、米中貿易戦で中国が「完敗する」との見通しが濃厚となった。

ホワイトハウスで行われた両首脳の記者会見で、トランプ米大統領は、米とEUが今後協力し、「強制技術移転」や「知的財産権侵害」「過剰生産」などの貿易手法に対抗していくと述べた。大統領は名指しを避けたものの、中国を念頭に置いて発言したとみられる。

トランプ大統領は今月14日、米メディアのインタビューを受けた際に、貿易の面においてEUは「敵だ」と発言した。

米ラジオ・フリー・アジア(26日付)によると、清華大学元講師の呉強氏は、「米政府とEUが突然、貿易問題で緊張を緩和させたことは、中国当局にとっては不意を突かれた」と指摘した。呉氏は 米とEUの協力関係強化で、貿易だけではなく、中国当局が取り巻く国際政治・外交環境も厳しくなるとした。

一方、25日トランプ大統領は、米とEUの間の貿易規模は1兆ドルに達し、両地域の経済総規模は世界の国内総生産(GDP)の約半分を占めるとし、今後経済・通商における双方の協力関係を強化すべきだと提言した。

両首脳はまた、米鉄鋼・アルミ輸入関税とEU側の報復関税の「解消」に向けて取り込み、協議を行った。世界貿易機関(WTO)のルール改革についても意見が一致した。

EUは今月17日、日本政府との間で経済連携協定(EPA)を調印したばかり。人口6億人、世界のGDPの3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。

これに加え、米とEUが自由貿易協定の締結に前進したことで、今後人口9.6億人、世界のGDPの6割以上を占める超巨大市場が形成される。この巨大市場を狙うカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなども参入してくるとみられる。

国際問題評論家の唐浩氏は、「超巨大自由貿易圏が実現となれば、米・EUの主導の下で、国際貿易ルールを無視した中国の蛮行を黙認してきたWTOの解体、あるいは徹底的改革を意味する」との見方を示した。

(翻訳編集・張哲)



【ニュース提供・大紀元】




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