世界的な株価調整局面、反転するか?米個人消費支出や雇用統計の時間給賃金などを注視せよ 住信SBIネット銀行(三井智映子)
[18/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。
先週は「10月株安」という下落のアノマリーを噛み締めた週となりました。サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたとの疑惑や世界経済への先行き懸念などから、米市場は大幅に下落しましたね。
また、米主要企業の7-9月期決算が本格化し、マイクロソフトやVISA、ツイッターなどが市場予想を上回る好決算発表となり、テスラは8四半期ぶりに黒字に転じました。一方、アマゾンやアルファベット(Google)、半導体大手のテキサス・インスツルメンツなど、ハイテク株の決算が不調でした。市場予想を下回る決算も多く、米企業業績への先行き不透明感が広がったようです。
S&P総合500は5月初旬以来の安値をつけ、主要三指数のチャートはいずれも200日線を下抜けており、日本市場も先週は短期的に下落トレンド。世界的な調整局面といえます。米中間選挙を前に今週も積極的な買いにはつながらなさそうです。
しかしながら、第3四半期GDP速報値は、前期比年率3.5%増と市場予想を上振れました。個人消費の好調や政府の経済政策などを背景に、2四半期の伸び率としては2014年以来最大となり、米経済の堅調さを裏付けました。
では、今週のマーケットはどうなるのでしょうか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
まず同レポートでは、『トルコのサウジ領事館内でのサウジ人記者の殺害を契機に、サウジアラビアへの海外投資マネーが減少したことを契機にサウジアラビアの海外投資資金を中心に世界の主要株式市場から資金流出に動いている、さらにヘッジファンドも仕掛け的に株売りに動いているとの観測を背景に先週の米国、日本、中国など主要株価指数が軒並み大幅な落を強いられました』と先週の市場を振り返り、『こうした動きが今週以降、沈静に向かうのか最大の焦点となりそうです』と考察しています。
次に、米金利の動向を占う経済指標について、『今週29日発表の米9月個人消費支出や11月2日の米10月雇用統計での時間給賃金などのインフレ指標を見た上で、FRBが12月利上げに動くのかを占う重要なインフレ指標となるだけに注目されます』と伝えており、『米10年債利回りが再度3.20%台を上抜けて上昇した場合、NY株式市場が一段の調整を強いられるのか、或いは調整終了として強い米国経済との前向きに捉えて株式市場の反発につながるのか注目されます』と分析しています。
来週11月6日には米中間選挙がありますね。米中間選挙については『上院では共和党優勢の一方、下院では民衆党優勢が報じられる中、共和党が急速に追い上げているとの調査もあり、上下両院で共和党が過半数維持との予想が強まればNY株式市場の追い風につながり、リスク選好の動きが再燃、株高・円安の動きにつながるかもしれません』との見解を示しています。
ヨーロッパ情勢については、『イタリアの財政問題を巡る欧州委員会との対立や、英EU離脱交渉を巡る不透明感に対し、英中銀政策委員会でもあらためて懸念を表明する可能性もあり、ユーロやポンドが対ドルを中心に軟調地合いを強めるかもしれません』と分析。加えて、ドル円については日銀政策会合で物価見通しの変更があるのか、日米金利差が円安につながるか注目としています。
さらに、本格化している米決算については『10月30日のフェイスブック、11月1日のアップルの7-9月期決算がNY株式市場の反発につながるか注目されます』と示唆しています。
そして、今週は米10月雇用統計の発表がありますね。雇用統計については『前月9月雇用統計では失業率が3.7%と48年9ヵ月ぶりの低水準となっただけに、米労働市場の堅調地合いの継続が確認されるか、さらには時間給賃金(前年比)が一段と上昇するか、インフレ期待が高まり、米10年債利回りが一段と上昇し、ドル上昇のきっかけになるか、さらに強い米国経済を確認することでNY株式市場の調整局面が終了するか注目されます』と解説しています。
雇用統計については、また住信SBIネット銀行さんとのコンテンツで追ってお伝えしますので、併せて参考にしていただけますと幸いです。
今週も市場をしっかりウォッチしてまいりましょう。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子
<HH>
先週は「10月株安」という下落のアノマリーを噛み締めた週となりました。サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたとの疑惑や世界経済への先行き懸念などから、米市場は大幅に下落しましたね。
また、米主要企業の7-9月期決算が本格化し、マイクロソフトやVISA、ツイッターなどが市場予想を上回る好決算発表となり、テスラは8四半期ぶりに黒字に転じました。一方、アマゾンやアルファベット(Google)、半導体大手のテキサス・インスツルメンツなど、ハイテク株の決算が不調でした。市場予想を下回る決算も多く、米企業業績への先行き不透明感が広がったようです。
S&P総合500は5月初旬以来の安値をつけ、主要三指数のチャートはいずれも200日線を下抜けており、日本市場も先週は短期的に下落トレンド。世界的な調整局面といえます。米中間選挙を前に今週も積極的な買いにはつながらなさそうです。
しかしながら、第3四半期GDP速報値は、前期比年率3.5%増と市場予想を上振れました。個人消費の好調や政府の経済政策などを背景に、2四半期の伸び率としては2014年以来最大となり、米経済の堅調さを裏付けました。
では、今週のマーケットはどうなるのでしょうか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
まず同レポートでは、『トルコのサウジ領事館内でのサウジ人記者の殺害を契機に、サウジアラビアへの海外投資マネーが減少したことを契機にサウジアラビアの海外投資資金を中心に世界の主要株式市場から資金流出に動いている、さらにヘッジファンドも仕掛け的に株売りに動いているとの観測を背景に先週の米国、日本、中国など主要株価指数が軒並み大幅な落を強いられました』と先週の市場を振り返り、『こうした動きが今週以降、沈静に向かうのか最大の焦点となりそうです』と考察しています。
次に、米金利の動向を占う経済指標について、『今週29日発表の米9月個人消費支出や11月2日の米10月雇用統計での時間給賃金などのインフレ指標を見た上で、FRBが12月利上げに動くのかを占う重要なインフレ指標となるだけに注目されます』と伝えており、『米10年債利回りが再度3.20%台を上抜けて上昇した場合、NY株式市場が一段の調整を強いられるのか、或いは調整終了として強い米国経済との前向きに捉えて株式市場の反発につながるのか注目されます』と分析しています。
来週11月6日には米中間選挙がありますね。米中間選挙については『上院では共和党優勢の一方、下院では民衆党優勢が報じられる中、共和党が急速に追い上げているとの調査もあり、上下両院で共和党が過半数維持との予想が強まればNY株式市場の追い風につながり、リスク選好の動きが再燃、株高・円安の動きにつながるかもしれません』との見解を示しています。
ヨーロッパ情勢については、『イタリアの財政問題を巡る欧州委員会との対立や、英EU離脱交渉を巡る不透明感に対し、英中銀政策委員会でもあらためて懸念を表明する可能性もあり、ユーロやポンドが対ドルを中心に軟調地合いを強めるかもしれません』と分析。加えて、ドル円については日銀政策会合で物価見通しの変更があるのか、日米金利差が円安につながるか注目としています。
さらに、本格化している米決算については『10月30日のフェイスブック、11月1日のアップルの7-9月期決算がNY株式市場の反発につながるか注目されます』と示唆しています。
そして、今週は米10月雇用統計の発表がありますね。雇用統計については『前月9月雇用統計では失業率が3.7%と48年9ヵ月ぶりの低水準となっただけに、米労働市場の堅調地合いの継続が確認されるか、さらには時間給賃金(前年比)が一段と上昇するか、インフレ期待が高まり、米10年債利回りが一段と上昇し、ドル上昇のきっかけになるか、さらに強い米国経済を確認することでNY株式市場の調整局面が終了するか注目されます』と解説しています。
雇用統計については、また住信SBIネット銀行さんとのコンテンツで追ってお伝えしますので、併せて参考にしていただけますと幸いです。
今週も市場をしっかりウォッチしてまいりましょう。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子
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