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NYの視点:英国のEU離脱を巡る不確実性はさらに高まる可能性

注目トピックス 経済総合
英国と欧州連合(EU)は22日までに、英国離脱後における双方の関係の大枠を規定する「政治宣言」の草案で大筋合意した。ただ、漁業問題やイベリア半島の南東端にある英領ジブラルタル問題については、協議すべき点が残されているようだ。ロイターの報道によると、政治宣言の草案文書は、「EUと英国は野心的で広範、かつ均衡の取れた経済関係の構築を目指すことで合意」、「このパートナーシップは包括的で、自由貿易圏、および広範なセクター別の協力を内包し、公平な競争の場の確保に向けた規定に裏打ちされたものとなる」とされているようだ。

ただ、離脱協定案の文面は全面的には完成されていないことから、25日に開催されるEU臨時首脳会議までに離脱協定案文書が完成できなかった場合、メイ首相は臨時首脳会議に参加しない可能性があるとみられている。また、一部報道によると、ハント英外相は保守党議員66人がメイ首相の協定案に反対票を投じる可能性があるとの見方を伝えており、英議会承認の可否については予断を許さない状況が続いている。

市場関係者の間では、「議会承認を得ることができなかった場合、英国は合意なき離脱を選択する可能性が大幅に高まる」との見方が多い。英国が新たな要求をEUに提示し、再交渉を望んでもEUは英国側に歩み寄ることはまずないと予想されている。議会で否決された場合、メイ首相は辞任するかもしれないが、問題解決にはつながらない。

二度目の国民投票を行なう可能性については、実施には少なくとも数カ月かかることやEUが英国との交渉期間を延長することを決断しなければならないため、現実的なプランとは言えないようだ。ポンド・ドルは1.28ドル台で推移しているが、保守党の信任投票協定案が議会承認されるまではリスク選好的なポンド買いが拡大する可能性は低いと予想されている。一部の市場関係者は「議会承認を得ることができず、ポンドは1.25ドルを目指すかもしれないが、合意案が運よく議会承認されることで1.33ドル近辺まで反発する可能性はある」と指摘している。



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