NYの視点:今週の注目:米中貿易交渉期限、米朝会談2回目、1月FOMC議事録
[19/02/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
今週は米中貿易協議の行方や米国の10−12月期国内総生産(GDP)、パウエルFRB議長の上下院での証言、米朝首脳会談に注目が集まる。米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化にむけて前進し地政学的リスクの後退に繋がるかどうかが焦点となる。
3月1日に米中貿易戦争停止の期限がくる。米中閣僚級協議で、中国が最大で1.2兆ドルの米国製品を購入し、人民元を安定させることで合意したため、中国の劉鶴副首相が率いる派遣団は米国滞在を2日延長し、週末も交渉が続く。トランプ大統領や劉副首相も合意にいたる確率のほうが高いとコメント。さらに、トランプ大統領は協議に進展が見られれば、1日の貿易戦争休戦期限を1カ月ほど伸ばす可能性も示唆した。3月中に習国家主席とフロリダ州マー・ア・ラゴの大統領の別荘で会談を計画していることを明らかにすると、さらに合意への期待感が広がった。一方で、ライトハイザーUSTR代表は、「依然、大きな障壁が残る」と慎重。特に、テクノロジーの強制的移行に関する見解に大きな隔たりがあるようだ。協定に組み入れられたとされる為替操作に関しては合意が成立したと、ムニューシン米財務長官が明らかにしており、ドルの上値を抑制する。
2019年に入り、市場が懸念していた通り、米国経済の成長減速を確認する指標が目立つ。28日には商務省が2018年の10−12月期国内総生産(GDP)速報値を発表。また、FOMCがインフレ指標として注視している個人消費支出(PCE)コアでインフレ動向を探る。12月分は前年比で1.9%と、目標の2%を依然下回る。そのほか、全米の製造業動向を探る上で、ISM製造業景況指数に注目。
2018年に比べ本年の成長ペース鈍化が予想される中、FOMCは現行の金融政策を当面維持し、次回の金利の修正が「経済動向次第」との方針に転じた。パウエルFRB議長は上院銀行委員会、下院金融サービス委員会で金融政策に関する半年に一度の証言を予定している。議会に提出される報告書によると、「下半期の米国経済は引き続き堅調なペースで成長」「労働市場も強い」と主張する一方で、「年後半の弱い状況やインフレの抑制で、金融政策で辛抱強いアプローチが正当化される」と指摘している。金融状況が成長に影響を与えたとの指摘もあった。
下方リスクとしては、貿易、政治、政策の不透明性を挙げた。消費や企業投資は、2018年後半弱まったとの見解で、賃金も6月以降上昇したが、歴史的基準に比べ伸びは低迷していると指摘。FOMCのハト派姿勢はドルの上値を引き続き抑制すると見る。
■今週の主な注目イベント
●米国
23日:ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演
25日:クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演
26日:パウエルFRB議長が上院銀行委員会で証言
27日:米朝会談開始、パウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で証言
28日:10−12月期国内総生産(GDP)速報値:予想前期比年率+2.4%(7−9月期+3.4%)、
10−12月期個人消費:予想+3.4%(7−9月期+3.5%)
3月
1日:米中貿易戦争停戦の期限、12月PCEコア:予想+1.9%(11月+1.9%)、
2月
ISM製造業景況指数:予想55.7(1月56.6)
●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
<CS>
3月1日に米中貿易戦争停止の期限がくる。米中閣僚級協議で、中国が最大で1.2兆ドルの米国製品を購入し、人民元を安定させることで合意したため、中国の劉鶴副首相が率いる派遣団は米国滞在を2日延長し、週末も交渉が続く。トランプ大統領や劉副首相も合意にいたる確率のほうが高いとコメント。さらに、トランプ大統領は協議に進展が見られれば、1日の貿易戦争休戦期限を1カ月ほど伸ばす可能性も示唆した。3月中に習国家主席とフロリダ州マー・ア・ラゴの大統領の別荘で会談を計画していることを明らかにすると、さらに合意への期待感が広がった。一方で、ライトハイザーUSTR代表は、「依然、大きな障壁が残る」と慎重。特に、テクノロジーの強制的移行に関する見解に大きな隔たりがあるようだ。協定に組み入れられたとされる為替操作に関しては合意が成立したと、ムニューシン米財務長官が明らかにしており、ドルの上値を抑制する。
2019年に入り、市場が懸念していた通り、米国経済の成長減速を確認する指標が目立つ。28日には商務省が2018年の10−12月期国内総生産(GDP)速報値を発表。また、FOMCがインフレ指標として注視している個人消費支出(PCE)コアでインフレ動向を探る。12月分は前年比で1.9%と、目標の2%を依然下回る。そのほか、全米の製造業動向を探る上で、ISM製造業景況指数に注目。
2018年に比べ本年の成長ペース鈍化が予想される中、FOMCは現行の金融政策を当面維持し、次回の金利の修正が「経済動向次第」との方針に転じた。パウエルFRB議長は上院銀行委員会、下院金融サービス委員会で金融政策に関する半年に一度の証言を予定している。議会に提出される報告書によると、「下半期の米国経済は引き続き堅調なペースで成長」「労働市場も強い」と主張する一方で、「年後半の弱い状況やインフレの抑制で、金融政策で辛抱強いアプローチが正当化される」と指摘している。金融状況が成長に影響を与えたとの指摘もあった。
下方リスクとしては、貿易、政治、政策の不透明性を挙げた。消費や企業投資は、2018年後半弱まったとの見解で、賃金も6月以降上昇したが、歴史的基準に比べ伸びは低迷していると指摘。FOMCのハト派姿勢はドルの上値を引き続き抑制すると見る。
■今週の主な注目イベント
●米国
23日:ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演
25日:クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演
26日:パウエルFRB議長が上院銀行委員会で証言
27日:米朝会談開始、パウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で証言
28日:10−12月期国内総生産(GDP)速報値:予想前期比年率+2.4%(7−9月期+3.4%)、
10−12月期個人消費:予想+3.4%(7−9月期+3.5%)
3月
1日:米中貿易戦争停戦の期限、12月PCEコア:予想+1.9%(11月+1.9%)、
2月
ISM製造業景況指数:予想55.7(1月56.6)
●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
<CS>