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コラム【アナリスト夜話】:お客様感謝デーと暗号技術の進化(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)

注目トピックス 経済総合
先週土曜日に、年に1度の「お客様感謝デー」を開催させていただきました。会場までお運びいただいた方々、そしてオンライン視聴の皆様、誠にありがとうございました。

今年も最新の情報をお届けしようと様々な工夫を凝らしました。その一つが仮想通貨やブロックチェーンについての話題でした。小会場ではコインチェック社の大塚氏にご参加いただき、 また、メイン会場のパネル・ディスカッションでは、仮想通貨の今年の上値・下値を、弊社社長・松本他で議論しました。因みに、私を含むパネリストたちのビットコインの上値は現値に対して50〜150%高い6,000〜10,000ドル、下値は2,500〜3,000ドルと、いずれも株やドルに比べて遥かに大きな幅となりました。

しかし、仮想通貨の貢献は、こうしたボラティリティの提供以上に、ブロックチェーンの知識を広く一般に広めたことでしょう。

「ブロックチェーン」という言葉は、1980年代には、外食産業で、店舗を地域ごと(ブロック)にまとめてチェーン展開するという手法の意味で使われていました。現在の「分散台帳型技術」のブロックチェーンが日本のメディアに初めて登場したのは2013年。しかし、ビットコインの価格急騰がなかったら、この言葉は、今でも外食店舗用語のままだったかもしれません。

言葉の普及とともにブロックチェーンには資金も集まり、課題だった処理速度も、当初の1取引当たり10分程度から、最新の米Akamai・MUFGの共同開発では、2秒以下まで短縮されています。今後さらにセキュリティ面が強化されれば、ブロックチェーンでの証券取引も可能になり、今のような取引所も(証券会社も)不要になるかもしれません。経産省は、ブロックチェーンの潜在市場は67兆円規模にも上ると試算しています。

教育心理・行動遺伝学者の安藤寿康氏は、かつての「飽食の時代」という言葉になぞらえ、知識や情報が溢れる今を「飽知」の時代と呼んでいます(「なぜヒトは学ぶのか」より)。「飽知の時代」には、価値のある知識が雑多な報道の中に埋もれてしまいます。こうした中、我々は、市場にとって重要な情報を選別しつつ、いち早く正確に伝えることで、皆さんの投資活動のお役に立てるよう努力していきたいと思っています。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:2/25配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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