「裁定買い残」は16年後半を想起させる、SMBC日興証券(花田浩菜)
[19/02/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
こんにちは、フィスコリサーチレポーター花田浩菜の「SMBC日興証券の気になるレポート」です。
2/27付の「DailyOutlook」では、裁定買い残について考察しているのでご紹介します。
まず同レポートでは、『裁定買い残とは、裁定取引(先物と現物株の価格差で利益を得る取引)で“先物売り、現物買い”のポジションを組み、「まだ裁定取引を解消していない現物買いの残高」だ。裁定買い残は裁定取引の解消時に売却されるため、増加は将来における売り圧力の高まり、減少は売り圧力の弱まりと予想される。また、裁定買い残が充分に減ると、新たな収益機会を狙った裁定取引が入りやすい。つまり、現物株に買いが入って相場の上昇に弾みが付きやすくなる(裁定買い残が積み上がる)』と伝えています。
続けて、昨年12月以降の裁定買い残は2016年8、9月と同水準の3億株前後まで減少していることを挙げ、『16年8、9月は不透明感が広がり、日経平均は16,000円台を中心に冴えない推移を続けていたが、一方で、16年6月安値を下回ることもなかった。安値割れしなかった要因の一つに、裁定買い残が充分に減少し、売り圧力が低下したこともあっただろう。その後、トランプ氏の米大統領選勝利による景気刺激効果への期待などから、日経平均は16年12月末に19,000円台へ上昇。年末、裁定買い残は12億株前後まで増えており、株価が大きく上昇した一要因として、裁定取引のポジション組成に伴う現物株買いがあったとみられる』と分析しています。
さらに、『足元の裁定買い残水準から、将来的な売り圧力は少ないと推測される。こうした中、きっかけさえあれば、現物株買いの後押しもあって、思いの外、大きく上昇する可能性を秘めていようか』とまとめています。
最後にレポートでは、『日経平均と裁定買い残推移』を紹介しています。詳しくは2/27付の「DailyOutlook」をご覧になってみてください。
また、面白いレポートを発見したらご紹介しますね。
花田浩菜の「気になるレポート」は各種レポートを花田浩菜の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートを御確認くださいませ。
フィスコリサーチレポーター花田浩菜
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