NYの視点:今週の注目:米Q2GDP、ECB定例理事会など
[19/07/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
投資家や投機家の持ち高を示す週次統計で、ネット円売り持ち高は前々週から増加した。
7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切ることはほぼ確実視されている。次回FOMCでは利下げ幅が焦点となるが、米国商務省が発表する4−6月期国内総生産(GDP)の結果が重要となる。30−31日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてFRBはブラックアウト期間入りするためFRB高官の発言は予定されていない。
ウォールストリートジャーナル紙は、FRBの高官が7月FOMCで25ベーシスポイントの利下げに備えていることを示唆していると報じた。世界経済の成長鈍化、貿易政策の不透明性やインフレの後退が背景となる。一部で予想されているような50ベーシスポイントの利下げの用意はまだないと分析。最近の経済は速やかな鈍化をあらわしておらず、現状で大幅な利下げの可能性は少ないと指摘している。FRBのパウエル議長は先々週の議会証言で、世界成長への懸念を表明し、インフレがFRBの目標である2%を長期にわたり下回るリスクに言及し、利下げの基盤を確立。協議の中心は7月以降の計画においてどのようにシグナルを送るかになる。
ウィリアムズ米NY連銀総裁は18日の中央銀行調査委員会での年次会合の講演で、ゼロ金利に近い政策下では、「予防的な措置をとることは、災難が起きるまで待つことよりも好ましい」との考えを示した。これに続き、クラリダ副議長もFOXビジネスニュースとのインタビューで「FRBは経済の成長を持続させるために適切に行動する」との方針を繰り返したほか、「金融政策には時間差がある」「指標が決定的に転換するまで待ちたくない」と発言。速やかな行動を支持する考えを示した。クラリダ副議長は度々、1995年と1998年に経済がまだ健全と見られる間にFRBによる先制的な利下げを実施した政策に度々言及している。どちらも数カ月間にわたり25ベーシスポイントの利下げを3回実施した。
金利先物市場では18日のウィリアムズ米NY連銀総裁発言で一時、7月会合での50ベーシスポイントの利下げ確率が20−30%から65%付近に急伸。市場の過剰反応を受けてNY連銀は声明を発表し、ウィリアムズ総裁の講演があくまでも過去20年間にわたる調査に基づく学術的なもので次回FOMCでの潜在的な政策措置に関するものではないと明確化した。50ベーシスポイントの利下げ確率も19日には再び19%まで低下した。
ダラス連銀のカプラン総裁は16日に長期債利回りの低下で戦術的な利下げを支持する可能性もあるが、このような動きは「限定的であるべきだ」と主張。必要のない刺激策の供給で資産価格のバブルを押し上げることに懸念を表明した。カプラン総裁は2019年のFOMC投票権を有さない。2019年のFOMC投票権を有するローゼングレン・ボストン連銀総裁も「減速の証拠は見られない」とし、「見通しの不透明性は上昇していない」と言及。
今週はまた、欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を予定している。今回の会合では政策の変更は予想されていない。しかし、ドイツ紙の報道によるとECBは11月までに国債購入を再開する計画だという。さらに、融資を加速させるためにECBは市中銀行が中銀に預金する場合の手数料を引き上げる計画だという。
貿易問題の不透明性が存続、世界経済の鈍化でインフレも低迷する中、ECBは会合で利下げや量的緩和(QE)の再開の準備があるとの方針を示すと見られている。一部では追加利下げに踏み切るとの見方も浮上。サプライズの利下げはユーロ売りにさらに拍車をかけると見る。
■今週の主な注目イベント
●米国
23日:6月中古住宅販売:予想532万件(5月534万件)
24日:6月新規住宅販売:予想65.8万件(5月62.6万件)
25日:6月耐久財受注:予想前月比+0.7%(5月−1.3%)、
6月卸売り在庫:予想+0.4%(5月+0.4%)、
6月前渡し商品貿易収支:予想:−724億ドル(5月−745億ドル)
26日:4−6月期国内総生産(GDP):予想+1.8%(1−3月期+3.1%)
●日本
22日:黒田日本銀行総裁、ワシントンIMFで講義
●IMF
23日:世界経済見通し改訂版を公表
●英国
23日:与党党首選出、ボリス・ジョンソン氏が最有力候補
●欧州
23日:ユーロ圏消費者信頼感
25日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ドラギECB総裁の会見
●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
<CS>
7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切ることはほぼ確実視されている。次回FOMCでは利下げ幅が焦点となるが、米国商務省が発表する4−6月期国内総生産(GDP)の結果が重要となる。30−31日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてFRBはブラックアウト期間入りするためFRB高官の発言は予定されていない。
ウォールストリートジャーナル紙は、FRBの高官が7月FOMCで25ベーシスポイントの利下げに備えていることを示唆していると報じた。世界経済の成長鈍化、貿易政策の不透明性やインフレの後退が背景となる。一部で予想されているような50ベーシスポイントの利下げの用意はまだないと分析。最近の経済は速やかな鈍化をあらわしておらず、現状で大幅な利下げの可能性は少ないと指摘している。FRBのパウエル議長は先々週の議会証言で、世界成長への懸念を表明し、インフレがFRBの目標である2%を長期にわたり下回るリスクに言及し、利下げの基盤を確立。協議の中心は7月以降の計画においてどのようにシグナルを送るかになる。
ウィリアムズ米NY連銀総裁は18日の中央銀行調査委員会での年次会合の講演で、ゼロ金利に近い政策下では、「予防的な措置をとることは、災難が起きるまで待つことよりも好ましい」との考えを示した。これに続き、クラリダ副議長もFOXビジネスニュースとのインタビューで「FRBは経済の成長を持続させるために適切に行動する」との方針を繰り返したほか、「金融政策には時間差がある」「指標が決定的に転換するまで待ちたくない」と発言。速やかな行動を支持する考えを示した。クラリダ副議長は度々、1995年と1998年に経済がまだ健全と見られる間にFRBによる先制的な利下げを実施した政策に度々言及している。どちらも数カ月間にわたり25ベーシスポイントの利下げを3回実施した。
金利先物市場では18日のウィリアムズ米NY連銀総裁発言で一時、7月会合での50ベーシスポイントの利下げ確率が20−30%から65%付近に急伸。市場の過剰反応を受けてNY連銀は声明を発表し、ウィリアムズ総裁の講演があくまでも過去20年間にわたる調査に基づく学術的なもので次回FOMCでの潜在的な政策措置に関するものではないと明確化した。50ベーシスポイントの利下げ確率も19日には再び19%まで低下した。
ダラス連銀のカプラン総裁は16日に長期債利回りの低下で戦術的な利下げを支持する可能性もあるが、このような動きは「限定的であるべきだ」と主張。必要のない刺激策の供給で資産価格のバブルを押し上げることに懸念を表明した。カプラン総裁は2019年のFOMC投票権を有さない。2019年のFOMC投票権を有するローゼングレン・ボストン連銀総裁も「減速の証拠は見られない」とし、「見通しの不透明性は上昇していない」と言及。
今週はまた、欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を予定している。今回の会合では政策の変更は予想されていない。しかし、ドイツ紙の報道によるとECBは11月までに国債購入を再開する計画だという。さらに、融資を加速させるためにECBは市中銀行が中銀に預金する場合の手数料を引き上げる計画だという。
貿易問題の不透明性が存続、世界経済の鈍化でインフレも低迷する中、ECBは会合で利下げや量的緩和(QE)の再開の準備があるとの方針を示すと見られている。一部では追加利下げに踏み切るとの見方も浮上。サプライズの利下げはユーロ売りにさらに拍車をかけると見る。
■今週の主な注目イベント
●米国
23日:6月中古住宅販売:予想532万件(5月534万件)
24日:6月新規住宅販売:予想65.8万件(5月62.6万件)
25日:6月耐久財受注:予想前月比+0.7%(5月−1.3%)、
6月卸売り在庫:予想+0.4%(5月+0.4%)、
6月前渡し商品貿易収支:予想:−724億ドル(5月−745億ドル)
26日:4−6月期国内総生産(GDP):予想+1.8%(1−3月期+3.1%)
●日本
22日:黒田日本銀行総裁、ワシントンIMFで講義
●IMF
23日:世界経済見通し改訂版を公表
●英国
23日:与党党首選出、ボリス・ジョンソン氏が最有力候補
●欧州
23日:ユーロ圏消費者信頼感
25日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ドラギECB総裁の会見
●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
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