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NYの視点:今週の注目:米中貿易協議、米FOMC、パウエルFRB議長会見、BOJ

注目トピックス 経済総合
投資家や投機家の持ち高を示す週次統計で、ネット円売り持ち高は前々週から小幅減少した。

今週は米中閣僚級の貿易協議が中国で再開される。米中首脳会談以降、初めての貿易交渉となる。すでにムニューシン米財務長官やクドロー国家経済会議(NEC)委員長が明らかにしたように、この会談で最終的な合意が成立する可能性は少なく、合意までにはまだ数回の会合が必要となる模様。クドロー委員長はもし、交渉が進展すれば追加関税の発動はないとしたが、通貨の切り下げ操作を厳しく監視していく方針を表明。トランプ政権が25日に開催した閣僚会議で、対中強硬派として知られるナバロ米国家通商会議(NTC)委員長がドル切り下げ案も提示したようだが、却下された模様。トランプ大統領は他国による通貨切り下げ操作を懸念しており、米国の強いドルは「素晴らしいこと」ドル高政策支持を表明している。

さらに米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するほか日本銀行、英国中央銀行が金融政策決定会合を開催する。低インフレへの対処、世界経済の成長鈍化への対処で7月FOMCで、FRBが利下げに踏み切ることはほぼ確実視されている。ただ、今回の会合ではFRBのスタッフ予測の発表はなく、パウエル議長の会見で今後の利下げの行方を探ることになる。伝達が非常に重要となってくる。

デフレ、ディスインフレへの対応策で後手に回ることを回避することが重要とパウエル議長が指摘したことから、7月会合での50ベーシスポイントの利下げの可能性は完全に払しょくしたわけではない。ただ、製造業や住宅が冴えない中、6月の雇用統計、小売売上高、生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)が軒並み予想を上回った。また、4−6月期国内総生産(GDP)も1−3月期の3.1%成長から鈍化したものの予想を上回り2%成長を維持した。消費の伸びも2017年10−12月期以来で最大を記録。消費が引き続き成長をけん引している証拠となった。

しかし投資や純貿易が1−3月期から悪化し、プラスからマイナス寄与に転じた。大幅な利下げの可能性は後退しつつあるが、25ベーシスポイントの保険的な利下げは正当化されると見る。米金利先物市場での7月会合での50ベーシスポイントの確率は昨日の18%から15.5%へ低下した。

日本銀行、英国中央銀行は政策金利の据え置きを決定すると見られるが、追加緩和を示唆するかどうかに焦点が集まる。7月以降の米国の金融政策を探る上では7月雇用統計に注目が集まる。

■今週の主な注目イベント

●イラン核合意に関し、独、仏、英、EU、中国、ロシアがイランと会談、
オーストリア、ウィーン

●米国
30日:6月PCEコアデフレーター:予想前年比+1.7%(5月+1.6%)
30−31日:連邦公開市場委員会(FOMC):予想0.25%の利下げ、
貿易方針の不透明性や弱い世界の成長に対処する保険的な対応、
ライトハイザーUSTR代表、ムニューシン米財務長官が訪中、
中国閣僚と貿易交渉を再開
31日:パウエルFRB議長会見
2日:7月雇用統計:予想失業率:3.7%(6月3.7%)、
非農業部門雇用者数:予想前月比+16.9万人(6月+19.1万人)、
7月ISM製造業景況指数:予想52.0(6月51.7)

●日本
30日:日銀金融政策決定会合:予想政策金利据え置き、
黒田日本銀行総裁会見

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン



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