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マカオとマネーロンダリング【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】

注目トピックス 経済総合
マカオではゲーミングが一大産業である。マカオでは1847年にカジノが合法化され、1962 年から40 年間カジノの経営権は独占されていたが、2001年にカジノ市場の自由化が決まり、6つのIR事業者に免許が付与され、41のIRが運営されている。2019年のカジノ売上は3.9兆円で前年比3.4%減となった。2015〜16年に売上が減少していたのは中国の不正撲滅運動の影響と言われたが、足元では少し盛り返してきている。もっとも、中国政府の反腐敗対策以前の2013年の売上構成比は、VIP部門が66%、マス部門が34%であったが、2019年Q2の売上構成比は、VIP部門47%、マス部門53%と、VIP部門の構成比は落ち込んだままである。

マカオではマネーロンダリングが盛んという指摘も少なくないが、2020年1月現在のジャンケットは96業者と、7年連続の減少となった(2013年1月には235業者を数えた)。「カジノの水先案内人」とも言われるジャンケット業者数の減少の背景は、政府のライセンスおよび営業規制の強化が影響しており、とりわけ、中国本土の政府高官を顧客とする営業について高い透明性が求められている。一連の取り組みが奏功したためか、マカオ政府金融情報弁公室によると、2019年1〜9月に届け出のあった「疑わしい取引」の総数は2,089件と前年比32.2%減となった。また、2019年10月に、マカオはFATFが提言する40勧告の全てをクリアしたと報じられている。

カジノとマネーロンダリングの相性の良さはよく指摘される点である。タックスヘイブンを活かす形で金融業が盛んなところが少なくないことから、低税率のマカオでも金融業が発展する一定の素地は備わっていよう。



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