NYの視点:米国の年内追加利下げ観測強まる
[20/02/25]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 経済総合
新型肺炎の感染がアジアのみならず欧州、中東で確認され世界的に一段と拡大する兆しを見せた。オープンボーダーの欧州ではさらに感染拡大ペースが加速しドイツなど域内最大の経済国への波及も警戒されている。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は今まで、感染や死者が中国に集中していると、懸念鎮静化に努めていたが、感染がイタリアや中東に広がったことに懸念を表明。世界的なパンデミック(大流行)になる潜在性はあるが、現在のところ「まだ達していない」との見解を示している。ただ、「世界的なパンデミック(大流行)」に認定されるのも「時間の問題」と見ている医療関係者もいる。
中国サプライチェーンに影響を与え、各メーカーが部品、材料が届かず、製品が出荷できずに世界経済の流れが停滞。特に中国のサプライチェーンや売上に依存しているアップルの株価は24日、大きく売られた。
国際通貨基金(IMF)は週末、中国の2020年成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正した。また、新型肺炎が世界経済のリスクになると警告。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁らはサウジアラビアの首都リヤドで週末に開催されたG20会議の声明で、世界経済に根強い下方リスクがあると警告、新型肺炎で監視強化を表明した。
米中第1段階貿易合意で、いったん回復の兆しが見られた米国の製造業も再び落ち込む危険がある。米1月シカゴ連銀全米活動指数は−0.25と、予想‐0.18を下回った一方で、米2月ダラス連銀製造業活動指数は1.2と5カ月ぶりのプラスに回復。
■IMF見通し
中国経済、2020年成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正
世界経済、2020年成長見通し0.1%引き下げ、2.8%
(1月見通し2.9%、2019年3.3%)
■ゴールドマンサックス米国経済見通し
1−3月期:+1.2%(従来:+1.4%。2019年10−12月期+2.3%)
4−6月期:+2.7%
ゴールドマンサックスの米国経済チーフアナリストのハチアス氏は新型肺炎の感染拡大が明確に成長の下方リスクになると警告。1−3月期のGDPの成長見通しを従来の1.4%からさらに引き下げ+1.2%とした。前四半期は2.3%だった。ただ、在庫が十図ンで、サプライチェーン混乱による全般的な活動にはほとんど影響はないと指摘。もし、新型肺炎の影響が抑制されたら、その反動で第2四半期の成長は2.7%に回復すると予想している。
成長減速懸念に、米国の利下げ観測も強まった。米国金利先物市場でも年内3回の利下げを織り込み始めた。早くて、4月または7月に1回目、 9月には2回目、12月には3回目の利下げを予想している。
米国債では安全資産としての買いが加速。30年債利回りは過去最低を記録。
米国10年債利回りは過去最低を記録した2016年夏以来の低水準となった。過去最低水準の1.318%を睨む展開となる。米国の3年債と10年債の利回り曲線も再び逆転しており、米国経済の景気後退入り懸念も再燃した。
<CS>
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は今まで、感染や死者が中国に集中していると、懸念鎮静化に努めていたが、感染がイタリアや中東に広がったことに懸念を表明。世界的なパンデミック(大流行)になる潜在性はあるが、現在のところ「まだ達していない」との見解を示している。ただ、「世界的なパンデミック(大流行)」に認定されるのも「時間の問題」と見ている医療関係者もいる。
中国サプライチェーンに影響を与え、各メーカーが部品、材料が届かず、製品が出荷できずに世界経済の流れが停滞。特に中国のサプライチェーンや売上に依存しているアップルの株価は24日、大きく売られた。
国際通貨基金(IMF)は週末、中国の2020年成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正した。また、新型肺炎が世界経済のリスクになると警告。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁らはサウジアラビアの首都リヤドで週末に開催されたG20会議の声明で、世界経済に根強い下方リスクがあると警告、新型肺炎で監視強化を表明した。
米中第1段階貿易合意で、いったん回復の兆しが見られた米国の製造業も再び落ち込む危険がある。米1月シカゴ連銀全米活動指数は−0.25と、予想‐0.18を下回った一方で、米2月ダラス連銀製造業活動指数は1.2と5カ月ぶりのプラスに回復。
■IMF見通し
中国経済、2020年成長率見通しを1月時点の6%から0.4%引き下げ5.6%へ下方修正
世界経済、2020年成長見通し0.1%引き下げ、2.8%
(1月見通し2.9%、2019年3.3%)
■ゴールドマンサックス米国経済見通し
1−3月期:+1.2%(従来:+1.4%。2019年10−12月期+2.3%)
4−6月期:+2.7%
ゴールドマンサックスの米国経済チーフアナリストのハチアス氏は新型肺炎の感染拡大が明確に成長の下方リスクになると警告。1−3月期のGDPの成長見通しを従来の1.4%からさらに引き下げ+1.2%とした。前四半期は2.3%だった。ただ、在庫が十図ンで、サプライチェーン混乱による全般的な活動にはほとんど影響はないと指摘。もし、新型肺炎の影響が抑制されたら、その反動で第2四半期の成長は2.7%に回復すると予想している。
成長減速懸念に、米国の利下げ観測も強まった。米国金利先物市場でも年内3回の利下げを織り込み始めた。早くて、4月または7月に1回目、 9月には2回目、12月には3回目の利下げを予想している。
米国債では安全資産としての買いが加速。30年債利回りは過去最低を記録。
米国10年債利回りは過去最低を記録した2016年夏以来の低水準となった。過去最低水準の1.318%を睨む展開となる。米国の3年債と10年債の利回り曲線も再び逆転しており、米国経済の景気後退入り懸念も再燃した。
<CS>