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NYの視点:パウエルFRB議長、米国経済は恐慌回避との見解

注目トピックス 経済総合
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は週末のプライムタイムでのインタビューで4−6月期の米国経済が30%超のマイナス成長に落ち込み、失業率も1930年代の大恐慌時に見られたような大幅上昇する見通しを示した。当時の失業率は25%でピークを付けた。パウエル議長は今回も20%、25%近くがピークになる可能性が強いと指摘。3650万人が失業保険を申請したほか、4月の失業率は14.7%と、戦後最高を記録した。

深刻な景気後退への対処で景気を支えるためにできることは数あるとし、必要である限り行動を起こしていく方針。また、FRBの手段に制限はなく、手段も使い果たしていないとしたことは好感されている。FRBは現在の融資プロブラムを拡大、または新たなプログラムを開始することも可能だとした。FRBのバランスシートはすでに7兆ドルに近づいている。金利を下げるために「フォワードガイダンス」を利用したり、資産購入策を修正することも可能だとしており、現在は債務の拡大を懸念する時期ではないと主張。歳出をとどめると、長期にわたる経済の生産損害のリスクになると警告。最大の懸念は、ウイルスの第2波で、これを回避することが非常に重要だと指摘している。

ただ、第2次の大恐慌の可能性について、「可能性はない」とし、ファンダメンタルズにかなりの相違があると説明した。

■FRB今後可能な手段
1)現在の融資プロブラムを拡大、または新たな融資プログラムを開始
2)金利を下げるために「フォワードガイダンス」を利用したり、資産購入策を修正することも可能

■大恐慌時との違い
1)米連邦準備制度理事会(FRB)と議会はすでに3兆ドル規模の救済策を承認したほか、追加の措置を検討している。
2)資産バブルやファンダメンタルズが起因したものではない。ウイルスパンデミック対策として経済封鎖したことが影響している。

世界中の政府、中銀が力強く、速やかに対応しているため非常に急激な景気の悪化は1930年代の恐慌時に比べてかなり短期間で収束することになると述べた。30年代の大恐慌は10年ほど続いた。

最近の経済の悪化は金融システムの強さや米国のダイナミズムに支えられ、著しい回復が見られるだろうと楽観的見解も示している。ドルが外準主要通貨であることも支援する。米国の債務の資金調達にはいまのところ懸念はない。

パウエル議長は第3四半期にはプラス成長に回復し、下半期には成長回復する可能性があるとの見通しを示した。いずれそんなに長くかからず、危機前の経済、また、それ以上に強い経済に戻ると自信を表明した。ただ、時期に関してはワクチンの開発次第との見方を示した。

パウエルFRB議長の発言にもかかわらず市場参加者の半分は経済にかなり悲観的。支援は無制限としているが、低迷が長期化した場合は巨大な資金を必要とする。すでに実施されている速やかで大規模な支援がどの程度、回復を支援するかどうかに今後焦点が集まる。議長が警告しているとおり第2派により景気が再度悪化する可能性も残る。すでに大恐慌入りしていると警告する投資家も少なくなく、脅威は存続している。






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