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NYの視点:9月FOMCの注目:インフレ引き上げる具体策やガイダンス

注目トピックス 経済総合
カンザスシティ連銀主催の連邦準備制度理事会(FRB)年次経済政策シンポジウムで、パウエル議長は27日、金融政策の決定においてインフレ目標の変更を発表した。期間平均で2%のインフレを目標とする。これにより、失業率の低下を目指し、FRBは物価2%超も容認することになる。FRBは持続的に目標未達は好ましくないとの考えが背景にある。パウエル議長は低インフレが経済に深刻なリスクを生む可能性があると警告。米国経済の潜在成長率は低下、中立FF金利誘導目標の見通しも著しく低下していると加えた。インフレの上昇で賃金の伸びに繋がり、強い労働市場も成り立つと説明している。平均目標になることで、FRBは今まで考えられていた以上に長い期間、大規模緩和を維持する必要が出てきた。

インフレに加えて最大雇用に関するアプローチも変更。最大の水準に比較した未達分を見直していく。FRBは失業率が最大雇用とされる3.5%まで低下したらインフレが生まれると想定していた。しかし、失業率がこの水準に達しても、インフレは低迷。失業率が低水準でもインフレが生まれず、利上げの必要はなくなる。失業率では特別な目標を設定せず、最大雇用と決定付けられる状況を見直していく。議長は今後も2%インフレ目標が適切だと考えているとした。

パウエル議長の会見では、インフレをどのように引き上げるかなど重要な具体策に欠けた。また、フォワードガイダンスに関する言及もなかった。このため、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、1)フォワードガイダンス、2)スタッフのインフレ見通し、3)インフレを引き上げる手段、に注目が集まる。

ダラス連銀のカプラン総裁は、FRBが容認する緩やかなインフレの過熱はおそらく、2.25%−2.5%前後となるだろうとしている。コアPCEが2.5%前後をつけたのは2006年。この水準のインフレ回復は容易ではない。現状で失業率は10%超え。インフレ目標を変更しようが、物価達成には程遠く、急伸する確率は非常に低い。このため、FRBはゼロ金利を数年維持することになると見られている。

■9月FOMCでの注目点
・フォワードガイダンスの変更
・スタッフのインフレ見通し
・どのようにインフレを引き上げるのか






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