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コロナショックで悪化した需給ギャップとスタグフレーションの足音【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】

注目トピックス 経済総合
直近のインフレ率は、先進国では前年比1%程度、新興国では2%程度となっている。コロナショックを受けて、インフレ率は一時的にマイナス圏に突入したが、その後の景気回復にあわせて持ち直してきた。もっとも現状ではコロナショック前には届いていない。

IMFによると、多くの国のGDPギャップは需要不足の状態にある。日本や米国のGDPギャップはマイナス3%程度であるが、ギリシャ、スペイン、スロバキアなどでは需要不足が顕著である。総じて需給ギャップは、数年かけてゼロに近づいていくことが見込まれているが、プラス転換までは見込まれておらず、需給面からくるデフレ圧力は根強く残りそうだ。

141ヵ国のインフレ率の中央値は2.1%のプラスであるが、ばらつきが大きい。115ヵ国が前年比プラスである一方、25ヵ国がマイナスとなった。中でも、スーダン(+64.3%)を筆頭として、イラン、ハイチ、エチオピアなどのインフレ率は20%を上回っており、スタグフレーションの兆候を見せている。

(株式会社フィスコ 中村孝也)



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