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中国を批判する国、擁護する国【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】

注目トピックス 経済総合
2020年10月6日、ドイツ国連大使は、国連総会第三委員会の一般討論会において、39カ国を代表して「中国新疆ウイグル自治区の人権状況と最近の香港情勢を深く憂慮する」との共同声明を発表した。これに対して、キューバ代表は45ヵ国を代表して、パキスタン代表は54ヵ国を代表して、中国を擁護する共同声明を読み上げた。キューバとパキスタンの声明の差は、新疆に関するものか香港に関するものかという違いである。双方の声明とも「Democratic Republic of Korea」という発言があったが、これが北朝鮮とコンゴ民主共和国のいずれを表しているのかは不明である。

6月30日の国連人権理事会では、27ヵ国が中国への懸念を示す共同声明を発表する一方、キューバを代表とする53ヵ国が「香港国家安全維持法」の支持を表明していた。当時との比較感では中国を批判する国が増えたようにも見受けられるが、国の数では依然として中国擁護派が優勢である。

ドイツによる声明については、2019年に賛成した22ヵ国は今回も全てが参加した。他方、キューバの声明については、2019年に賛成したうち18ヵ国は今回も参加したが、10ヵ国の名前は含まれていない。2020年はスリランカ、キリバスは中国に賛成する一方、マーシャル諸島、ナウル、パラオは反対に回っている。

アフリカからはパキスタンの声明に27〜28ヵ国が加わる一方、ドイツの声明を支持した国はなかった。その他、パキスタンの声明に参加した国が多い地域は、中東(8ヵ国)、南アジア(5ヵ国)などである。一方、中央アジアからは参加した国はなく、東南アジアからも4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン)にとどまっている。中国に隣接する国については中国を擁護する国が少ないように見える点も興味深い。

(株式会社フィスコ 中村孝也)



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