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【中国の視点】米不動産価格は高騰、「バブル」だとの指摘も

注目トピックス 経済総合
米不動産価格は高騰している。調査によると、4月に成約した不動産の中間価格は前年同月比で19.1%上昇し、調査となる対象地域の9割近くの不動産価格は2ケタの上昇率になったという。

中国のエコノミストは、家賃は住宅価格に比例するため、低収入層にとって住宅費の捻出が一段と厳しくなると指摘。政府の補助を申請する低所得層はこれから増加すると予測し、住宅価格の高騰が貧富の格差を一段と拡大させると警告した。

住宅価格の高騰について、新型コロナウイルス流行に伴う大幅な金融緩和の実施を受け、富裕層の資産ポートフォリオに占める不動産投資の割合が増加していることが価格の上昇をけん引していると分析されている。また、住宅供給が需要に追いついていないことも住宅価格を押し上げている。リモートワークの増加に伴う住宅環境の改善に対する需要が拡大していることや、新型コロナ流行の悪影響で建築工事の進行が予定より大幅に遅れていることがこうした需給バランスの崩れの背景にある。このほか、人件費や建材価格の上昇なども住宅価格の高騰の一因だと指摘されている。

統計によると、4月末時点の米住宅在庫は前年同時点比で20%以上減少した。これに加え、富裕層による投機的な住宅投資も増加し続けていると報告されている。住宅価格の先見通しについて、供給が需要に当面追いつかないため、住宅価格の上昇はしばらく続くとの見方が優勢になっている。

ただ、インフレ率の加速や米経済の回復に伴い、早ければ年内にもテーパリング(量的緩和の縮小)が検討されるとの見方も出ている。これに伴う不動産市場も縮小に向かうと予測されている。なお、2013年にノーベル経済学賞を受賞したイェール大学のロバート・シラー教授はこのほど、米国の不動産市場にバブルが発生している可能性があるとの見方を示した。




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