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ウォール街を知るハッチの独り言 アクティブファンドに投資するメリットとは(マネックス証券 岡元 兵八郎)

注目トピックス 経済総合
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、8月22日に配信されました。
そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ウォール街を知るハッチの独り言」の内容をご紹介いたします。


S&P500やナスダック100の値動きに連動するパッシブ運用型の投資信託やETFへの投資が非常に人気となっています。パッシブファンドは、株価指数に連動することからインデックスファンドとも呼ばれています。日本では毎日100円からS&P500などの株価指数に自動積立投資が手軽にできる投信つみたてが米国株投資の最初の一歩として大人気です。

株式投信やETFの運用の方法は大きく言うとパッシブファンドとアクティブファンドの二種類があります。市場全体の動きに連動するように設計されているパッシブファンドと違い、アクティブファンドのパフォーマンスはファンドマネージャーの銘柄選択能力にかかっています。

そもそもアメリカでパッシブ型ファンドへの投資が人気になった理由の一つはアクティブ運用型のファンドのパフォーマンスが芳しくなかったことが挙げられます。パッシブファンドに投資をするというのは世界的な流れで、アメリカのマーケットの中でも運用資産のパッシブ化というのがこれまで進んできました。実際2021年でほぼ8割のアクティブファンドがベンチマークに負けたというデータがあるのです。

インデックスファンド連動型のファンドに投資をすることにより、マーケット並みのリターンを上げることができることが人気の理由です。これはどういうことかというと、私たちが朝起きて経済ニュースを見ると前日の米国市場が1%下がれば、自分が持っているインデックスファンドも1%下がる、または1%上がると自分の持っているファンドも1%上がるはずなのです。 マーケット並みのリターンが取れるということは、ある意味安心ができるわけです。個別銘柄を持っていると例えば市場全体は1%しか下がってないのにも関わらず自分が保有している銘柄は一時的に5%下がることもあるわけです。勿論逆も真なりなのですが、投資初心者にとっては、ある意味心の支えになる、精神衛生上安心できる金融資産でもあるのです。加えて、アクティブファンドと比べインデックスファンドの手数料が低いというのも魅力であります。

私も自分の金融資産の一部をインデックスファンドで運用しているのですが最近欧米のアクティブファンドの運用をしている欧米の成長銘柄のファンドマネージャーたちから話を聞く機会を得ました。この時、彼らの運用に対する哲学や銘柄選択のプロセスを聞いているうちに、改めてアクティブファンドの良さも再確認することができました。

アクティブ型ファンドの良さとしては、本当に良いと思う銘柄があれば、その銘柄の集中投資をすることができるため、個別銘柄の株価の値動きの恩恵をより受けることができるのです。例えばS&P500連動型のインデックスファンドであれば、テスラ株の保有比率は2.5%でしかありません。これはインデックスファンドの性格上S&P500の時価総額に占めるテスラ株の割合がそのまま適用されるからです。

一方、アクティブファンドの場合には、ファンドマネージャーがテスラ株を非常に有望な銘柄だと判断したのであれば、ファンドの規約にもよりますが、ファンドの最大10%程度までテスラ株を保有することが可能になります。もしテスラ株が3割上がっても、インデックスファンドであればファンド全体に対する寄与度は0.75%パーセントでしかありません。 10%テスラ株に投資をしたファンドであれば、そのファンド全体に与える影響は3%となるのです。テスラが逆に3割下がるとS&P500連動型のインデックスファンドで0.75%しか下がらないところが、このアクティブファンドであれば3%下がることになります。ただ今のように市場全体が大きく下がっている局面においては、今後2、3年先を考えると、長期的に有望な成長株を仕込む成長チャンスだと思うのです。

もちろんどのアクティブファンドでも良いというわけではありません。気になるファンドがあれば、そのファンドの運用方針であるとか、どういう方法で銘柄選択を行っているとか、ファンドマネージャーの運用に対する哲学や考え方を調べる必要があります。 ファンドに対するデューデリジェンスを行った上で、過去のトラックレコードを確認し、運用方針に共感できるのであればそれなりの手数料を払って金融資産の一部をプロのファンドマネージャーに託するという考えは正しいのではないかと考えています。


マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎
(出所:8/22配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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