コラム【ポートフォリオのススメ】ポートフォリオを組む(マネックス証券 塚本 憲弘)
[24/01/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
*09:26JST コラム【ポートフォリオのススメ】ポートフォリオを組む(マネックス証券 塚本 憲弘)
今回はポートフォリオの組み方について、改めて簡単にお話ししたいと思います。異なる動きの2銘柄を保有することで分散効果は得られることから、それだけでポートフォリオの組成となります。例えば世界株式ファンドと世界債券ファンドです。そして運用成果の約9割がアセットアロケーションで決まる、とも言われる中ではウェイト配分が大切です。
考慮すべきなのは自分がどの程度のリターン目標を持ち、同時に相場変動を受け入れられるか、です。過去のリターンを参考にすると株式と債券(金利のある海外主体)50%ずつで期待リターンは5%弱、年間の振れ幅は上下10%程度となります。リスクを抑えて株式20%債券80%程度であれば期待リターンは2%を下回り同振れ幅は3%程度、リスクをとって株式80%債券20%程度であれば期待リターンは7%程度となり同振れ幅は15%程度となります。ご自身の運用目的やリスク許容度に見合うウェイト設計が大切です。
そして管理できる範囲内で投資対象を増やしていきます。世界株式として割り振ったウェイトの中で例えば新興国の成長をとるために一部インド株などに投資する、高成長を享受するためにハイテク株式への投資に割り振る、といった具合です。また違う動きを期待するオルタナティブ資産や売られている銘柄の反発を狙う逆張りの投資、など投資戦略を増やすわけですが、闇雲に増やしてしまうと管理も難しくなるため投資目的を明確にし、今後も整理できる範囲内での舵取りが推奨されます。
なお、分散効果は増やせば増やすほどより効果的となるわけではありません。5から10銘柄への投資であれば分散効果が期待されますが、その後数を増やしても分散効果はあまり得られなくなることが知られています。
為替に関して個人的な考えを述べますと、国内外の通貨を半々で持つことは分かりやすいですが、国内債券の金利が低位である以上運用の主体は外貨になるでしょう。それでも日本円での収入があれば資産全体では円主体と考えられますし、また中長期であれば為替のリスクは低減するとの考えからも外貨主体の運用について特段の懸念は無いと期待しても良いでしょう。
最後に肝心なのは計画や目的を明確にしたポートフォリオの成績を定期的に振り替えることです。全体として当初期待したリターンが得られているのか、各種想定した投資戦略はワークしているのかの確認になります。もし想定通りであれば投資戦略は継続されますし、上回っているのであれば運用計画をより積極的なスタイルに見直すことも可能です。また、リターンを得られた分リスクを落として安全運転に変更することも可能です。下回っている場合その逆が検討されます。あくまで計画的であるべきで感情的な投資行動は避けるべきです。
マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ 塚本 憲弘
(出所:1/29配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)
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今回はポートフォリオの組み方について、改めて簡単にお話ししたいと思います。異なる動きの2銘柄を保有することで分散効果は得られることから、それだけでポートフォリオの組成となります。例えば世界株式ファンドと世界債券ファンドです。そして運用成果の約9割がアセットアロケーションで決まる、とも言われる中ではウェイト配分が大切です。
考慮すべきなのは自分がどの程度のリターン目標を持ち、同時に相場変動を受け入れられるか、です。過去のリターンを参考にすると株式と債券(金利のある海外主体)50%ずつで期待リターンは5%弱、年間の振れ幅は上下10%程度となります。リスクを抑えて株式20%債券80%程度であれば期待リターンは2%を下回り同振れ幅は3%程度、リスクをとって株式80%債券20%程度であれば期待リターンは7%程度となり同振れ幅は15%程度となります。ご自身の運用目的やリスク許容度に見合うウェイト設計が大切です。
そして管理できる範囲内で投資対象を増やしていきます。世界株式として割り振ったウェイトの中で例えば新興国の成長をとるために一部インド株などに投資する、高成長を享受するためにハイテク株式への投資に割り振る、といった具合です。また違う動きを期待するオルタナティブ資産や売られている銘柄の反発を狙う逆張りの投資、など投資戦略を増やすわけですが、闇雲に増やしてしまうと管理も難しくなるため投資目的を明確にし、今後も整理できる範囲内での舵取りが推奨されます。
なお、分散効果は増やせば増やすほどより効果的となるわけではありません。5から10銘柄への投資であれば分散効果が期待されますが、その後数を増やしても分散効果はあまり得られなくなることが知られています。
為替に関して個人的な考えを述べますと、国内外の通貨を半々で持つことは分かりやすいですが、国内債券の金利が低位である以上運用の主体は外貨になるでしょう。それでも日本円での収入があれば資産全体では円主体と考えられますし、また中長期であれば為替のリスクは低減するとの考えからも外貨主体の運用について特段の懸念は無いと期待しても良いでしょう。
最後に肝心なのは計画や目的を明確にしたポートフォリオの成績を定期的に振り替えることです。全体として当初期待したリターンが得られているのか、各種想定した投資戦略はワークしているのかの確認になります。もし想定通りであれば投資戦略は継続されますし、上回っているのであれば運用計画をより積極的なスタイルに見直すことも可能です。また、リターンを得られた分リスクを落として安全運転に変更することも可能です。下回っている場合その逆が検討されます。あくまで計画的であるべきで感情的な投資行動は避けるべきです。
マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ 塚本 憲弘
(出所:1/29配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)
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