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為替週間見通し:底堅い展開か、ウクライナ情勢の深刻化や中国でのデフォルトなどに警戒

注目トピックス 市況・概況
■ドル・円はやや強含み、日経平均株価の上昇を意識して円売り優勢の展開に

ドル・円はやや強含み。101円72銭から102円98銭で推移した。3月期末決算に向けたヘッジファンドの安倍トレード(日本株買い・円売り)のショートカバーによるドル買いと、本邦機関投資家によるリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が観測されたが、日経平均株価の上昇などを意識して、円売り・ドル買いが優勢となり、ドル・円は一時102円98銭まで上昇した。取引レンジは、101円72銭から102円98銭となった。

■消費増税、ウクライナ情勢、米国3月雇用統計に要警戒

ドル・円は、4月1日の消費増税の影響、新年度入りした本邦機関投資家からの新規の外貨建て投資への期待感、米国3月の雇用統計の改善期待から、ドルは底堅い展開が予想される。リスク要因としては、ウクライナ情勢の深刻化、中国でのデフォルト(債務不履行)、中国人民元の続落などに警戒することになる。

■消費増税(5.0%⇒8.0%)(1日)

消費増税は、円安要因となる。1989年の竹下内閣での消費税3.0%導入では、ドル・円は、導入時の133円台から翌1990年4月には160円台まで上昇した。1997年の橋本内閣での消費増税(3.0%⇒5.0%)では、ドル・円は、増税時の123円台から5月には127円台まで上昇。6月に一時110円台まで反落したものの、翌1998年8月には147円台まで上昇した。消費増税による景気低迷を回避するため、日本銀行による異次元の量的・質的金融緩和第2弾も期待されることで、ドル・円相場は底堅い展開が予想される。

■ウクライナ情勢

プーチン・ロシア大統領がクリミア自治共和国のロシア編入を強行したことで、欧米英とロシアとの対立深刻化が懸念されている。オバマ米政権が、ロシア国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却などを警告しており、予断を許さない状況が続く可能性がある。

■米国3月雇用統計(4日)

米国3月の雇用統計の予想は、失業率が6.6%で2月の6.7%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+19.0万人で、2月の+17.5万人から増加幅が拡大することが見込まれている。ただ、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)としての失業率目安(6.5%)が撤廃されたことで、注目度合いは低下している。ネガティブ・サプライズとならない限り、4月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が継続されることが予想されている。

■本邦機関投資家の新年度入りの外貨建て資産投資

4月の新年度入りで、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資が予想される。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本国債での運用を減らし、株式や外貨建て資産での運用を増やす意向を示している。本邦機関投資家のポートフォリオの組み替えは円売り要因になるとの見方がある。

主な発表予定は、3月31日(月):(米)3月シカゴ購買部協会景気指数、4月1日(火):(日)日銀企業短観3月調査、(米)2月建設支出:(米)、4月3日(木):(米)3月ISM非製造業景況指数


[予想レンジ]
ドル・円100円00銭-105円00銭



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