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国内株式市場見通し:日銀会合が失望なら押し目狙いの好機か

注目トピックス 市況・概況
■追加緩和政策への期待感から15000円回復

先週(3/31-4/4)の日経平均は上昇。日銀の金融政策決定会合を翌週に控えるなか、追加の金融緩和策への期待感が高まった。日銀が1日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数(DI)は、3月がプラス17と5期連続で改善。しかし、3ヶ月先の6月は消費増税前の駆け込み需要の反動減が見込まれ、プラス8と市場予想のプラス13を大きく下回ったことで、一気に追加緩和政策への期待感につながったようである。

また、ウクライナ情勢が小康状態となる一方、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は「追加の金融緩和を排除しない」との見解を示したほか、中国では景気下支え策が打ち出されたこと、米国では連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が、ゼロ金利政策などの金融緩和策による景気下支えを続ける考えを強調するなか、投資マネーがリスク資産に戻っているようだ。

■日銀の金融政策決定会合での追加の緩和期待

今週(4/7-11)は7-8日に日銀が政策委員会・金融政策決定会合を開催。8日に黒田総裁が記者会見を行う。市場のコンセンサスとしては、現状維持である。しかし、先週の不動産株など緩和メリットセクターへの資金流入を見る限りでは、相当期待感が高まっているようだ。特に、短観での先行きが予想を下回ったこと、また、黒田総裁が異次元緩和政策を発表してから1年を迎えるタイミングにあること。国内外の市場関係者の中には、2%の物価上昇率の達成は難しく、追加の金融緩和が必要になるという見方である。1-3月の世界の主要株価指数では日経平均がウクライナ情勢の影響を受けたロシアに次ぐ下落率だったことも期待感につながっているだろう。

そのほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、「アクティブ運用」を本格化すると報じられたことも刺激材料になった。GPIFの三谷理事長による「実際に運用して運用利回り変わればしかるべき公表」、田村厚労相による「国債ばかり持っているとリスク高まる」といった発言が報じられるなか、代行返上に伴う売り圧力への警戒感を薄める状況となっていた。

■現状維持は想定線、失望なら押し目狙いの好機

まずは日銀会合の結果を見極めることになろうが、「現状維持」によって失望売りを想定する向きも大勢であり、調整局面での押し目買い意欲は強そうである。いずれにせよ4月末の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の公表での追加緩和の可能性や、6月、7月辺りでの追加緩和はあるとの見方。また、安倍政権にとっても消費増税が政権維持に支障を与えることは避けるため、成長戦略への具体策も大胆なものにする必要があるだろう。

4日の米国市場では、注目された3月の雇用統計は失業率が低下予想に反して6.7%で横ばい、非農業部門雇用者数は予想範囲内の19.2万人増だった。ただ、雇用統計は評価されたものの、米国ではバイオやネット関連への売りが続いており、大幅な下げとなっている。週明けはこの影響から売りが先行することになりそうだが、日経平均の25日線辺りまでの調整なら、押し目狙いの好機になる可能性も。

■物色は政府・日銀主導に関連する主力処へ

そのほか、米国では3月18、19日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(9日)が公開されるほか、4月のミシガン大学消費者信頼感指数(11日)が発表予定。また、8日に予定されている非鉄大手アルコアを皮切りに14年1-3月期の決算発表シーズンに入る。日本でも4月下旬から14年3期決算発表が始まる。金融政策から、次第に企業決算の動向に焦点が移ることになろう。また、米ネット関連の下落がソフトバンク<9984>などへ影響し、これが個人主体による中小型株への需給悪化につながることが懸念される。そのため、成長戦略や緩和期帯といった政府・日銀主導に関連する主力処への物色に向かいやすい需給状況にもなりそうだ。



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