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日銀金融政策決定会合での追加緩和見送りは想定内だったが、中継された黒田総裁の記者会見は予想以上に強気だった。2％の物価上昇目標達成には「従来同様、確信を持っている」、政府関係者の「もはやデフレと言う状況ではなくなりつつある」に対しては、「そうした見解は正しい」、需給ギャップについては「様々なデータから見ると、ほとんどゼロに近くなっている」、とくに雇用面は「予想以上に改善している」とし、消費増税の影響は「今夏以降に減衰し、その後は景気回復軌道に復帰する」。4月以降、輸出が回復すると見る日銀にとって、海外情勢は不透明要因としたが、物価上振れの可能性に言及し、「現在、追加緩和を検討していない。逆方向の調整の余地もある」と、初めて引き締めに転ずる可能性に言及した。会合は短く、昼前に終了した。

市場にギャップ感をもたらしたのは、午後に発表された3月景気ウォッチャー調査。2-3ヵ月先を見る先行き判断が34.7、前月比5.3ポイントの大幅悪化。1、2月も急落していたが、この水準は東日本大震災後の11年3月26.6、リーマン・ショック1年経過後に内需急収縮した09年11月34.5に匹敵する落ち込み。元々振れやすい統計ではあるが、肌感覚が正しいのか、日銀が正しいのか、気迷う局面となった。





＜MK＞