米国株式市場見通し:確定申告期限は通過、アップルやフェイスブックが決算
[14/04/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
週初は3月小売売上高が予想を上回ったことや大手行決算が好感され、反発して始まった。バイオ関連株に売りが広がったのをきっかけにナスダック総合指数が前週終値を割り込んだものの、持ち直す展開となった。4月15日の個人確定申告期限を前に、昨年の株式譲渡益に対する納税資金確保の為と思しき売りが一巡すると、ダウ構成銘柄など主要企業決算が好感され堅調推移となった。週半ばになると3月鉱工業生産及び設備稼働率が予想を上回ったほか、3月住宅着工件数も僅かに下振れしたものの、概ね予想通りとなったことで続伸した。週末が3連休となっていることもあり、個別では決算発表を受けて値動きが荒い銘柄もあるものの、その後は小動きに終始する展開となった。18日は復活祭前の聖金曜日(グッドフライデー)で米国株式相場は休場となった。結局週を通じて主要株式指数は
個別では大手行のシティグループが予想を上回る決算を発表して上昇。決済ネットワークのマスターカードはアナリストの強気の投資判断を受けて堅調推移となった。飲料品のコカコーラや製薬のジョンソン&ジョンソン、ポータルサイトのヤフーなども相次ぎ予想を上回る決算を発表して上昇。一方で鉄道のCSXは減益となる決算を発表して下落。検索大手のグーグルやITサービスのIBMも冴えない決算を発表して軟調推移となった。
21日の米国株式相場は通常取引だが、キリスト教の復活祭で欧州など主要株式市場が休場となる。今週も多数の1−3月期決算発表が予定されている。
まずハイテクでは携帯端末のアップル(23日)、交流サイトのフェイスブック(23日)、半導体のクアルコム(23日)、ソフトウェアのマイクロソフト(24日)などの決算が控えている。アップルは決算と同時か直後に増配や自社株買い枠の拡大など株主還元策を発表する可能性がある。マイクロソフトは今月初めにWindows XPのサポートを終了したことや、iPad向けにオフィス統合ソフトの提供を開始したことによる業績へのインパクトが注目を集めるだろう。
その他のダウ構成銘柄ではファストフードのマクドナルド(22日)、通信のAT&T(22日)とベライゾン(24日)、保険とトラベラーズ(22日)、航空機のボーイング(23日)、決済ネットワークのビザ(24日)、化学製品のスリーエム(24日)の決算発泡が予定されている。米国携帯電話業界では4位のTモバイルが他社からの乗り換えユーザーに対して、年初から中途解約違約金の肩代わりを開始し、同3位のスプリントもこれに追随している。1−3月期のベライゾンとAT&Tの2強の契約者数の伸びにこの影響を確認できるかどうかが注目だ。
その他主要企業ではファストフードのヤム・ブランズ(22日)や化学のダウ・ケミカル(23日)、住宅メーカーのDRホートン(24日)及びパルトグループ(24日)、コーヒーチェーンのスターバックス(24日)、宅配便のUPS(24日)、自動車のGM(24日)などの決算も控えている。GMは今年2月に発表したイグニッション装置のリコール関連費用として13億ドルを計上することを明らかにしており、赤字に陥る可能性もある。10年以上リコールを放置したことが問題視されているが、破綻前の旧GMの問題であり、新GMの賠償責任は30−40億ドル程度にとどまるとの見方から、現在の株価は大幅に割安との見方も多い。
経済指標では3月景気先行指数(21日)、3月中古住宅販売(22日)、3月新築住宅販売(23日)、3月耐久財受注(24日)などの発表が予定されている。
米国の確定申告期限が通過したことで売り圧力が後退し、今後は節税目的で拠出された年金資金が米国株式相場に流入しやすい時期となる。3月下旬からの下落の中心であったバイオやハイテクなどの急成長株に下げ止まりを確認できるかどうかが焦点となりそうだ。
<TN>