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新興市場見通し:ガンホーを皮切りに決算発表が本格化、ネット関連の動向が注目

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、本格化する国内企業の決算発表を見極めたいとのムードから、上値の重い展開となった。週前半は個人投資家のマインド改善が支援材料となり、引き続き、戻りを試す動きに。大型のIPO案件となった西武HD<9024>の上場を無難に通過したことで一段と買い安心感が高まったものの、手掛かり材料難の中で売買代金は膨らまず。週末には上期の堅調な決算を発表したサイバーエージ<4751>が大幅高となったが、ネット関連全般への見直しの動きは限定的となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.6%であったのに対して、マザーズ指数は-1.5%、日経ジャスダック平均は-0.6%だった。

個別では、日本通信<9424>が週間で約11%の大幅下落となった。短期的な過熱感が意識される中で、信用取引規制の強化を受けて利益確定売りが膨らんだ。また、PD<4587>やナノキャリア<4571>、テラ<2191>など、バイオ関連への換金売りも継続した。一方、サイバーエージは中間決算において主力のアメーバ事業の業績拡大が確認され、買い安心感が高まり大幅高。また、フリービット<3843>やホットリンク<3680>などは短期資金による物色で賑わいが続いた。なお、23日に上場した白鳩<3192>の初値は公開価格を約46%上回ったほか、フィックスターズ<3687>の初値は公開価格の約2.6倍となるなど、足元で低迷していたIPO市場にあらためて盛り上がりが見られた。

今、来週の新興市場は、決算内容を見極めながらの個別株物色が中心の展開となりそうだ。新興市場でも28日のガンホー<3765>を皮切りに、決算発表が本格化する。先週末に好決算を発表したサイバーエージは見直しの動きが強まるなど、2月以降に大きく売り込まれた銘柄には決算発表が見直しにつながるタイミングとなる。一方、ウクライナ情勢など外部環境の先行き不透明感が燻る中で、積極的なリスクテイクの動きは限定的となる公算。先週もマザーズ市場の売買代金が連日で1000億円を割り込むなど、個人投資家のマインドは完全に復調したとは言えないだろう。例年、ゴールデンウィーク前後は個人投資家が取引の中心となり新興市場の売買代金は膨らむ傾向があるものの、直近では物色の柱が見当たらず、決算発表などを手掛かりに市場全体の雰囲気を好転させるシンボルストックが登場するかが注目されるところ。

個別では、ガンホーなど決算発表を受けた主力のネット関連の動向が注目されることになりそうだ。ガンホーについては第1四半期の好業績観測報道がすでに伝わっているが、追加の自社株買いなどに期待感も。また、先週末に前期実績の上方修正を発表しているミクシィ<2121>の動向にも関心が高まろう。その他、5月8日の日本通信、9日のマイクロニクス<6871>など、短期資金を巻き込んだ一時の急騰が一服し調整基調が強まっている銘柄の決算発表が注目される。

その他、28日にはDLE<3686>、30日には夢真HD<2362>やホットリンク、5月1日にはセプテーニHD<4293>、7日にはエムティーアイ<9438>、8日にはタカラバイオ<4974>やニューフレア<6256>、イリソ電子<6908>、ワイヤレスG<9419>、9日にはマクドナルド<2702>やAPLIX<3727>、ラック<3857>などの決算発表が予定されている。



<TN>

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