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国内株式市場見通し:公的資金流入への思惑、トレンド転換の有無に注目

注目トピックス 市況・概況

■年金資金への思惑から約1ヶ月ぶりの水準を回復

先週の日経平均は上昇。週末には約1ヶ月ぶりに14500円を回復する局面をみせた。週前半の日経平均は米モメンタム株の不安定な値動きや円高傾向が続く為替市場、ウクライナ大統領選に加えて、中国とベトナムの対立といった地政学リスクへの警戒などを背景に14000円処での攻防が続いた。日銀の金融政策決定会合でのノーサプライズを受けて、21日には一時13964.43円まで下押す展開に。しかし、その後は中国の5月のHSBC製造業PMIが市場予想を上回ったことが安心感につながったほか、かんぽ生命保険が2015年3月期に、日本株と外貨建て債券の保有比率を拡大する方針と伝わったことが支援材料となり、ショートカバーを誘発させる格好で上昇に転じている。また、日銀の追加緩和への期待が低下するなか、GPIF(金積立金管理運用独立行政法人)など公的年金改革のほか、6月の成長戦略への期待感などもリバウンド機運を高める要因に。

■トレンド転換をみせてくるか

日経平均は14000円処での心理的なボトム意識のなか、週末にかけてのリバウンドにより、約1ヶ月ぶりの水準を回復した。テクニカル面では一目均衡表の雲下限を捉えてきたほか、週足ベースでは終値で雲上限をクリアしてきている。期待をつなげた格好で週末を終えているため、今週はトレンド転換をみせてくるか投資家の関心は高そうである。また、これまで米モメンタム株の不安定な値動きに振らされるなか、新興市場の中小型株などにも見直す動きが表れてきている。マザーズ指数は1月高値から40%近い下落となるなか、先週末には転換ポイントとなる25日線を捉えてきており、トレンド転換が期待されそうだ。

■公的資金流入への思惑が高まりやすい

週明けは米株式・債券市場は「メモリアルデー」の祝日、英国は「バンクホリデー」による休場のため海外勢の資金流入が限られよう。また、ウクライナ大統領選については、情勢が深刻化する可能性がある反面、アク抜けの流れに向かうかが注目される。一方で、GPIF・ゆうちょ・かんぽ などの公的資金流入への思惑が高まりやすい。先週の流れを引き継ぐスタートとなれば、翌週以降に発表が控えている6月の成長戦略への期待感なども物色材料として、相場の押し上げ要因になる可能性があろう。

■米国や中国の経済指標等に関心

経済指標では、米国で27日に4月の耐久財受注、3月FHFA住宅価格指数、3月ケースシラー住宅価格指数、5月消費者信頼感指数、28日にはMBA住宅ローン申請指数、29日に1-3月GDP改定値、4月中古住宅販売成約指数、30日に4月個人消費支出、5月ミシガン大学消費者マインド指数などが予定されている。中国では6月1日に5月製造業PMIが予定されている。とりわけ、米国では来週には5月の雇用統計という重要なイベントを控えていることもあり、今週の経済指標の内容次第では思惑的な流れにつながる可能性がある。また、中国についても先週の5月のHSBC製造業PMIでムードを変えてきていることから、今後発表される指標に関心が集まりやすいだろう。

■黒田総裁発言で円高も

日本では30日に公表される4月の全国消費者物価指数(CPI)が注目される。生鮮食品除いたコアCPIの市場予想は前年比プラス3.1%であり、消費税率引き上げの影響を除くと、物価上昇率は3月と同水準。そのほか、26日に行われる岩田副総裁の講演と、28日の黒田総裁の講演(日銀金融研究所主催・国際コンファレンス)での発言が注目される。先週の黒田総裁発言ではリップサービスに失敗しており、円相場は一時1ドル101円を割り込む局面もみられた。



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