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ニコン<7731>は17日、2017年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。
同社によると、成長分野とされるメディカル事業など新規事業を強化し、2017年3月期に売上高1兆2000億円（14年3月期は9805億円）、営業利益1100億円（同629億円）を目指すという。
27日の株主総会終了後に次期社長に就任する牛田一雄副社長は「ニコンの持つ光と精密の技術を医療分野に生かす。近く金融と医療業界に精通するM＆A（企業の合併・買収）の専門チームを設置して、M＆Aでメディカル事業を拡大したい」と語った。
同社のメディカル事業の売上高はまだないが、2017年3月期の売上高目標1300億円、営業利益40億円のうち、医療事業で売上高1000億円を目指し、メディカル事業や超解像顕微鏡システムや検査システムなどのインストルメンツ事業で2000億円のM＆Aを計画する。検査機器、診断機器、手術機器、再生医療、創薬支援の各分野の事業を立ち上げ、インストルメンツ事業は、2017年3月期に売上高1000億円（2014年3月期は647億円）、営業損益80億円の黒字（同21億円の赤字）を目指す。
また、医療事業で300億円規模のベンチャーキャピタルファンドを立ち上げ、投資案件の育成だけでなく、最先端の医療業界情報を入手してM＆Aにつなげるという。
2017年3月期までの研究開発費は累計2200億円を予定しており、このうち500億円をメディカル事業などの新規事業に充てる。設備投資には1100億円を投じる。
既存の主力事業であるデジタルカメラ分野は成熟期を迎えており今後大きな伸びは期待できないため、収益改善と新興国市場の開拓を進めつつ、業態の転換に踏み切るものと思われるが、ＪＰモルガン証券も17日、中期経営計画は達成にイニシャルコスト（初期費用）と不確実性のリスクが高いと分析し、投資判断を「中立」から「アンダーウエート」、目標株価を1750円から1500円に下げたことからも見て取れるように簡単なことではなさそうだ。いかにM＆Aを成功させ、医療などメディカル事業に食い込んでいって新規事業で成果を上げることができるか注目したい。




＜YU＞