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為替週間見通し:中東の地政学的リスクと景況感を見極めへ

注目トピックス 市況・概況
■ドル・円下落、地政学的リスクと米景況感の悪化懸念で

先週のドル・円は弱含み、102円17銭から101円32銭まで軟調に推移した。ドル・円は、ウクライナやイラクに対する地政学的リスクへの警戒感が高まったこと、米国の1-3月期国内総生産(GDP)確報値が前期比年率-2.9%へ下方修正されたことで、102円17銭から101円32銭まで下落した。

ただ、27日発表の6月米ミシガン大学消費者信頼感指数確定値が速報値から上方修正されたことでリスク回避的なドル売りはやや一服した。先週の取引レンジ:101円32銭-102円17銭となった。

■6月の日銀短観と米国雇用統計と地政学的リスクに要注目

今週のドル・円は、ウクライナ情勢やイラク情勢に警戒しつつ、6月日銀短観と6月の米雇用統計を見極める展開となる。ウクライナでの和平協議が難航した場合やイラクが内戦に陥った場合は、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。

ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革を受けて、本邦機関投資家による外貨建て資産への投資増加が予想されること、米国が軍事介入しない中東の地政学的リスクは、有事のドル買いとなる可能性があることで、ドルの下値は限定的とみられる。

■6月の日銀短観(1日)

6月調査の日銀短観は、4月の消費増税の影響を受けてやや低調な数字が予想されており、大企業・製造業の業況判断(DI)は15と、3月調査の17からの低下が見込まれている。

予想通りならば、消費増税の影響として織り込み済みであることで、市場への影響は軽微だと予想される。

■地政学的リスク

中東では、アルカイダ系の武装組織「イラク・シリア・イスラム国」とマリキ・イラク政権との間で内戦が勃発する可能性が高まりつつある。さらに、プーチン露大統領が支援しているアサド・シリア政権が「イラク・シリア・イスラム国」に対して攻勢を強めていることで、中東の地政学的リスクの拡大に警戒する展開となる。

中東の地政学的リスクが拡大した場合、原油価格が上昇することで、原発稼動停止で原油輸入の依存度が高い日本経済にはマイナス要因、貿易赤字の拡大により円安要因となる。ポロシェンコ・ウクライナ政権と親露武装勢力との和平協議が難航した場合、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。

■米国の6月雇用統計(3日)

6月の米失業率は6.3%と予想されており、5月の6.3%と同水準。また、非農業部門雇用者数は、前月比+20.9万人で、5月の+21.7万人から増加幅がやや減少することが見込まれている。

予想通りならば、7月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)(350億ドル⇒250億ドル)の継続が予想される。


主な発表予定は、6月30日(月):(日)5月鉱工業生産、7月1日(火):(日)日銀6月企業短観調査、7月1日(火):(米)6月ISM製造業景況指数、7月2日(水):(米)6月ADP雇用統計、7月3日(木):(米)5月貿易収支、7月3日(木):(米)6月雇用統計

予想レンジ:100円00銭-104円00銭



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