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国内株式市場見通し:短観6月調査や中国PMI、米雇用統計などが手掛かり材料に

注目トピックス 市況・概況
■週末には一気に15000円近辺までの下落

先週(6/23-27)の日経平均は底堅い値動きが続く中、週末には一気に15000円近辺までの下落となった。週初は米国市場の強い動きや政府の成長戦略への期待感などから日経平均は戻り高値を更新した。その後はウクライナやイラク情勢の緊迫化に伴うリスク回避姿勢のほか、成長戦略発表後は、いったんは材料出尽くしのムードも。

とはいえ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革への思惑から高ROE銘柄などへの押し目買い意欲が強く、さらに株主総会シーズンによって売り込みづらい状況でもあった。また、ミクシィ<2121>、サイバーダイン<7779>など中小型株の中核銘柄は失速するなか、先週はトヨタ<7023>が燃料電池車(FCV)を2014年度中に発売すると発表。これを手掛かりに水素ステーション関連が急動意をみせるなど、個人投資家の投資余力の大きさが窺えた。

■25日線までの調整で過熱感は後退

先週末については、やや先物主導によるポジション調整から日経平均は大幅な下げとなったが、25日線辺りで綺麗に下げ渋る辺りは、先高期待は後退していないだろう。中小型株などの値動きも急速に値を下げる格好だが、サイバーダイン<7779>は1万円割れ後に下げ渋りをみせるなど、冷静に押し目を拾う動きも意識されるところ。

また、短期的なテクニカルで陰転シグナルが発生していたことや騰落レシオの超過熱シグナルの状況から、ある程度は想定されていた値動きだろう。株主総会の集中日で参加者が限られるなど指値状況が薄いところをインデックスに絡んだ売りで下げ幅拡大した格好とみておきたい。

■大企業製造業DIは+15と増税の影響は限定的と予想

今週(6/30-7/4)は、7月1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観6月調査)を発表する。市場コンセンサスは大企業製造業DIが+15と、6四半期ぶり悪化が見込まれている。ただ、当初は増税による影響から+8辺りまで下げるとの見方がされていた。増税の影響が限定的との見方につながるようであれば、株価押し上げの材料になろう。

そのほか、6月の中国製造業PMIも1日に予定されている。5月は50.8と5ヶ月ぶりに好不況分かれ目となる50を超えていた。6月のコンセンサスは51.1であり、評価材料になる可能性があるだろう。

■米雇用統計に関心も海外勢のフローは減少か

また、米国では1日に6月のISM製造業景況指数、2日には6月のADP雇用報告、3日に6月の雇用統計が発表される。米国は4日が独立記念日で休場となるため前日の3日に雇用統計の発表となる。結果を受けつつも米国が休場となるなか、海外勢のフローは期待しづらく、今週も個別材料やテーマ銘柄などへの物色が中心になりそうである。

今週から小売企業の決算が本格化するため、増税の影響が限られるとの見方が大勢となれば、増場全体のセンチメントも明るくさせよう。また、今後の値動きを見極める必要はあるものの、サイバーダイン<7779>の1万円割れ後の下げ渋りなどをみると、短期筋の回転の速い物色から、やや中期スタンスの資金に切り替わった感もある。



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