欧米為替見通し:地政学的リスクへの警戒感
[14/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日30日の欧米市場のドル・円は、月末・四半期末で動意に乏しい展開の中、地政学的リスク(ウクライナ・イラク)への警戒感から下値を警戒する展開が予想される。
ドル・円のテクニカル分析では、一目均衡表では「三役逆転」で売りの時代、三角保ち合いや200日移動平均線を下抜けて本格的な下落トレンドが始まりつつあることで、下値支持帯の100円62-81銭処で下げ止まるか否かを注目することになる。下値支持帯を下抜けた場合、97-99円に向けた下落トレンドに拍車がかかる可能性が高まる。
ウクライナ情勢では、本日まで延長された停戦期限後の和平協議を見極めることになるが、ウクライナ東部でロシア軍の戦車が確認されていることで、予断を許せない状況が続く。
ラマダンに入った中東では、マリキ・イラク政権(シーア派)に対して、アサド・シリア政権、プーチン・ロシア政権、ロウハニ・イラン政権(シーア派)からの支援が確認されていることで、サウジアラビア(スンニ派)の出方、アルカイダ系の武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の反撃などに警戒していくことになる。
今週は、明日1日に発表される6月調査の日銀短観や3日に発表される米国6月の雇用統計に注目する展開が予想されるものの、地政学的リスクが最悪のシナリオとなった場合は、夏休み前の安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いに警戒することになる。
【今日の欧米市場の予定】
18:00 ユーロ圏・6月消費者物価指数速報(前年比予想:+0.5%、5月:+0.5%)
22:45 米・6月シカゴ購買部協会景況指数(予想:63.0、5月:65.5)
23:00 米・5月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.3%、4月:+0.4%)
02:10 ウイリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が講演予定
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