欧米為替見通し:フィッシャー米ダラス連銀総裁の講演に注目へ
[14/07/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日16日の欧米市場のドル・円は、地政学的リスク(ウクライナ・中東)への警戒感から上げ渋る展開の中、米国の経済指標、米地区連銀経済報告、フィッシャー米ダラス連銀総裁の講演などに注目することになる。
イエレンFRB議長の上院銀行委員会での議会証言は、「高レベルの金融緩和が引き続き適切」、「労働市場に著しいたるみが依然として存続」、「QE終了後も長期にわたり低金利が継続することを予想」というハト派見解と、「労働市場の改善が予想より速ければ、想定より早期の利上げを決定する可能性も」というタカ派見解が混在したものだった。
6月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で出口戦略に関する協議が行われ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ヒルゼンラス記者が、地区連銀総裁の間で早期利上げ論が支配的になりつつある、と報じていることで、タカ派的な見解は、地区連銀総裁達の早期利上げ論を反映したものなのかもしれない。
地区連銀総裁達の早期利上げ論を確認する意味で、本日発表される29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)の判断材料となる米地区連銀経済報告での各地区での景況感の改善度合いを見極めることになる。
本日、タカ派のフィッシャー米ダラス地区連銀総裁が「金融政策とマジノ線」と題する講演を行う。「マジノ線」とは、第2次世界大戦で、フランス軍がドイツ軍に対して構築した難航不落が期待された要塞だったが、ドイツ軍の奇襲により突破された。タカ派のフィッシャー米ダラス地区連銀総裁は、ハト派のイエレンFRB議長とフィッシャーFRB副議長に早期利上げの奇襲作戦を挑むのかもしれない。
【今日の欧米市場の予定】
20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+1.9%)
20:00 南ア・5月小売売上高(前年比予想:+0.7%、4月:+1.8%)
21:30 米・6月生産者物価指数(前年比予想:+1.9%、5月:+2.0%)
22:00 米・5月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く)(予想:+ 250億ドル、4月:-242億ドル)
22:15 米・6月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、5月:+0.6%)
22:15 米・6月設備稼働率(予想:79.3%、5月:79.1%)
23:00 米・7月NAHB住宅市場指数(予想:50、6月:49)
23:00 イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院金融委員会で証言
23:00 カナダ中銀が政策金利発表(1.00%に据え置き予想)
23:20 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁あいさつ
01:00 フィッシャー米ダラス連銀総裁講演(金融政策とマジノ線)
03:00 米地区連銀経済報告公表
欧州連合(EU)首脳会議
ブラジル中央銀行が政策金利発表(11.00%で現状維持の予想)
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