欧米為替見通し:ジャクソンホールとミンスクからのお中元
[14/08/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日27日の欧米市場のドル・円は、明日28日に発表される米国4-6月期の国内総生産(GDP)改定値や29日に発表される日米欧のインフレ率を控えて、ドル売りオーダー(104円20-50銭)で上げ渋る展開が予想される。
21-23日のジャクソンホール・シンポジウムでは、ドラギ欧州中銀総裁とイエレンFRB議長が、欧米の金融政策の乖離を示唆した。
ドラギ欧州中銀総裁は、2012年夏のユーロ防衛宣言と「国債購入プログラム(OMT)」というバズーカ砲(第1弾)に続き、2014年夏には量的緩和の導入示唆というバズーカ砲第2弾を持ち出した。
イエレンFRB議長は、「ペントアップ賃金デフレ」という懸念を持ち出した。「ペントアップ賃金デフレ」というのは、リセッション(景気後退)の時期に、雇用者が従業員の士気を保つために賃下げをしない場合、景気が回復し失業率が低下しても、しばらくの間は賃金の上昇はあまり目立たない現象をさす。そして、完全雇用に近づいた時点で、急激に賃金が上昇することで、賃金インフレが顕在化することになる。
26日のミンスクでのプーチン露大統領とポロシェンコ・ウクライナ大統領の首脳会談は、ウクライナ紛争の長期化を示唆するものだった。プーチン露大統領は、「停戦の合意はウクライナ側の問題だが、ロシアも和平協議に寄与できる」としながらも、「紛争当事者でないため、停戦条件をポロシェンコ政権と議論できない」 と述べることで、「不安定の弧」を玉虫色のままで放置した。
【今日の欧米市場の予定】
20:00 トルコ中央銀行が政策金利発表(指標レポレートは8.25%で現状維持の見込み)
20:00 米・前週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+1.4%)
02:00 米財務省5年債入札(350億ドル)
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